レビュー『数の悪魔』
ある日、算数が大きらいの少年・ロバートの夢のなかに、「数の悪魔」があらわれ、真夜中のレッスンがはじまり、12夜にわたって、はてしなく不思議な数の世界を旅する物語。
「数ほどワクワクするものはない。」と本文にもあるように、数の不思議がふんだんにちりばめられた本です。
悪魔からのレッスンでロバートが習うのはフィボナッチ数、三角数、無限、黄金比率など。
これらを知らない人は、ロバートと一緒になるほどとうなづけるはず。
そして、登場する悪魔は教師のようでありながら、底知れないドライな雰囲気があり、それゆえに、児童書としての魅力が増しています。
内容は数の面白さについて会話形式のストーリー仕立てで読みやすく、絵もかわいいので、小学校中〜高学年生におすすめで、数に興味が湧くきっかけになるかもしれません。
もちろん、大人が読んでも楽しく読むことができ、数の不思議さに魅了されます。
この本を読んで深い知識を得ることはできませんが、数の奥深さを実感することができます。
著者のハンス・マグヌス・エンツェンスベルガー1929年生まれで、ドイツを代表する詩人・批評家。
つい先日、2022年11月24日に享年93歳でお亡くなりになられました。
この本を読んだからといって、急に算数や数学が得意になったりするわけではないですが、「数」の深淵さに気づかせてくれ、算数や数学が好きになるきっかけになります。
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