ネットに負けるな、神保町の古本。
東京へ行く際は、必ずと言っていいほど神保町の本の街に足を運んでいます。新品の大型書店から、特定のジャンルに特化した小さな古書店まで、実に様々なお店が軒を連ねています。特に感心するのは、昔のテレビ雑誌や『明星』『Duet』といったアイドル雑誌のバックナンバーが、まるでタイムカプセルを開けるように年代順に並べられていることです。
さて、何度も申し上げているように、国会図書館のデジタルコレクションをはじめ、古本へのアクセスは年々便利になってきました。また、アマゾンなどのオンライン書店では、古本の通信販売だけでなく、価格比較までできるようになり、私たちの生活にますます身近なものとなっています。
地方では大型書店が次々と閉店し、書店の減少が問題視されていますが、古書店も同じような状況なのではないかと危惧しています。荒俣宏先生のように古本に深い造詣をお持ちの方であれば、莫大な費用をかけて古書を収集されるでしょうが、私のような、本の内容をざっと把握したいという程度の者にとっては、図書館やアマゾンで十分間に合ってしまうのが現実です。
古書店の組合が、在庫データを一元管理するようなシステムを構築することは、容易ではないと承知しています。しかし、古書店には、本の価値を深く理解している店主や、専門的な知識を持つお客様もいらっしゃるはずです。神保町だけでなく、私の住むような地方にも、古書文化を広めるために、何かできることはないでしょうか。
このような状況下で、古書店の存続は大きな課題となっています。古書という文化を後世に繋いでいくためには、私たち一人ひとりが、古書店の魅力を再認識し、積極的に利用していくことが重要だと考えています。