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【日本神話⑩】山の神と恋せよ乙女
高天原から地上の「高千穂」へ降臨した邇邇芸命(ニニギノミコト)は、そこに宮を建てて暮らし始めます。ある時、笠沙の岬(鹿児島県薩摩半島の野間岬といわれる)で美しい女性を見初めました。この女性が木花咲耶姫(コノハナノサクヤヒメ)。大山祇神(大山津見神=オオヤマツミノカミ)の娘です。ニニギは父親であるオオヤマツミに結婚の許可を求めました。
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オオヤマツミはその名の通り山の神様です。富士山の神様というわけじゃなさそうです。大山祇神社の総本社は愛媛県今治市大三島町、しまなみ海道の中の大三島にあるそうです。山の神様だけど島にあるのも不思議ですが・・・残念ながらまだ行けていません。でも、日本一高い山である富士山と関係ないかといえば、そうでもないのです。それが娘のコノハナ。
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富士山の周辺に集中し、全国各地にある「浅間神社(せんげん=あさまじんじゃ)」は、御神体を富士山とし、大山祇神の娘である木花咲耶姫を祀る神社なのです。コノハナは美しい名前が示すように、咲く花のような絶世の美女だと記されています。今回は富士山周辺の浅間神社を紹介します。
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晴れていれば、赤い拝殿の右後方に富士山が写っていい写真になるはずでしたが、天気は読めませんね・・・現在の建物は徳川家康の寄進によるもの。それ以前は、鎌倉幕府2代執権・北条義時、室町将軍・足利氏、武田信玄と勝頼も寄進しました。家康寄進の建物は江戸時代の寛永安政の大地震でいつくか倒壊してしまったそうですが、楼門や本殿などは当時のままだそうです。この本殿、珍しいのは二階建てなんですよ。
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神社本殿が二階建てという例が他にあるかは不明です。どこかで見たかな?そして、なぜ二階建てなのか?といわれても私も知りません。誰か教えてください。高い山に倣って?天下の徳川家康仕様?
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「木花咲耶姫」というくらいだから、桜の花咲く季節に来れればよりよかったのですが、これもまた社会人として「勤労の義務」から中々できませんね。いつか・・・で、浅間大社は富士山麓の湧水による鏡池も見どころです。きれいに透き通っています。富士山の周囲はこのように、湧水の名所が他にもあります。その一つが忍野八海。
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富士山の湧き水は雪解け水で、溶岩交じりの地下層で長い年月をかけて不純物がろ過されて地上に出て来るそうです。忍野村の「八海」なのですが、湧き出す池は、出口池、菖蒲池、鏡池、湧池、濁池、銚子池、お釜池、底抜池で八つです。
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そして当然あります、浅間神社。忍野八海の景観の素晴らしさは群を抜いていましたね。他の名所も当然ではありますが、マナーを守って美しい自然と景観を後世に伝えていきたいですね。
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富士山と対峙するとシャッター回数が無限に増えてしまいます。さて、その富士山ですが、8合目より上は富士山本宮浅間大社の所領だそうです。山頂には奥宮があります。前回の記事で私は「登山趣味はないが、歴史の物語があるなら登る」と書きましたが、2024年現在、富士山頂には行けていません。
これは旅の心残りですね。いつか行きたいと思います。オーバーツーリズムも激しくなる一方。富士山人気はとどまることを知らず・・・しっかり準備しマナーも守って行きたいのですが、中々機会に恵まれないのが現状です。
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自分で登っていないので、友人提供の山頂の写真で代用します。事前に写真を頼んだわけでもないので、浅間大社奥宮のちゃんとした写真はありませんでした。左奥に鳥居が見えます。その奥の建物が神社社殿だと思われます。あとは宿泊・休憩施設でしょう。
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富士山からの御来光。これを撮った友人がうらやましいです。私も見てみたいですね。そうそう、富士山頂の歴史神話・・・というか昔話でいえば「竹取物語」にも登場します。かぐや姫に結婚を申し込んだ帝に与えられた条件が「不死の薬」を探すこと。しかし、かぐや姫はこの山頂から使者と共に月へ帰ってしまいます。帝は「かぐやのいない世に不死の薬など必要あろうか」といって、その薬をここで流し捨ててしまいます。その逸話から「不死山=ふじさん」と呼ばれるようになったそうです。
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話が完全に逸れてしまいました。「かぐや姫」ではなく「このはなさくや姫」の話。ニニギはオオヤマツミからコノハナとの結婚の許しを得てめでたく夫婦になれました。ところが、ニニギは天孫のわりに、なんとも人間らしい?というか問題行動を起こします。次回はその話。
富士山本宮浅間大社↓
忍野八海↓
表紙の写真=新倉山浅間公園から見た富士山(2014年5月24日撮影)