ビル・ゲイツと花束。(中島聡『なぜ、あなたの仕事は終わらないのか』を読んで)
「ビル・ゲイツと花束」の話をご存知だろうか。
マイクロソフトでWindows 95開発などを手掛けたエンジニア、中島聡さんの著書『なぜ、あなたの仕事は終わらないのか』で紹介されていたエピソードである。中島さんのブログにも記載されていたので、一部を引用して紹介する。
ブログにも書かれているが、「問題を分ける」ことが重要なのだ。「大雪のため、花屋が花束を届けられない」という事象は、
・花屋が来れない
・花束を調達できない
という、ふたつの問題を混ぜてしまっている。
注文した花屋が来ることができないなら、別の手段を大急ぎで講じるべきなのだ。別の花屋に聞いてみてもいいし、近所の家を回って花束を分けてもらってもいい。「花屋が来れなくても、花束を調達できる」のだ。
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と同時に、この話のもうひとつの肝は、「どんなことでも自責であれ」ということだろう。
花束の例はメタファーに過ぎないが、どんな仕事も考えようによっては、いくらでも他責にできる。
予算がない、人員が足りない、法改正が行なわれた、競合他社に出し抜かれた……等々。(ありがたいこと、とも言えるが)多少のミスやサボりがあったとしても、自分の生活は揺るがない。“ほどほど”でいいと思うのが、むしろ自然なことかもしれない。
だけど、「いくらでも他責にできる」ということは、裏を返せば「いくらでも自責に変えられる」ということだ。自分が至らなかったことが山ほどあって、それゆえプロジェクトの完成度が100%にならなかった。そういった反省を繰り返しながら、より良いものを作ろうとする態度こそ重要なわけであって。
花屋が来なかったんですよ、まいっちゃいますよね。
と言うのは簡単である。でも、そんな言い訳をする前に、できることを必死で見つけようとすることが大事だと思うのだ。少なくとも、自分にとっては。
もちろん、こういったことを他者にまで押しつけようとは思わない。あくまで自分の仕事上のスタンスとして、ずっと持ち続けていたい。
ということで、引用した中島聡さんの著書はとても良い本なので、ビジネスパーソンの方はぜひ手に取ってみてください。
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