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神保町の岩波ホールに行った。

2022年7月29日に閉館する、岩波ホールに足を運んだ。

「新型コロナの影響による急激な経営環境の変化を受け、劇場の運営が困難と判断いたしました」という、直球な理由により劇場の閉鎖が決まった。ある意味正直で清々しいのだが、シネフィルのひとりとして悔しい思いがある。

これから、どれくらい「映画」というフォーマットを目にすることができるだろう。まあたぶん、これからもたくさん映画は作られるし、東京にいる限りにおいては、シネコンを中心に「映画館」で映画を楽しむことができるはずだ。

だけど、Netflix、Amazon Prime Video、Disney+、Apple+などサブスクリプションサービスの台頭によって、必ずしも映画館に足を運ぶ必要はなくなっている。それに加えて、テレビシリーズに多くの予算がかけられるようになった。日本も例外でなく、優秀な映画監督やプロデューサーは、Netflixで映像作品をつくることを念頭に置くようになるだろう。(そちらの方が、リッチなものが作れるからだ)

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この日、岩波ホールで上映されていたのは、「歩いて見た世界〜ブルース・チャトウィンの足跡〜」というドキュメンタリー映画だった。世界中を旅した作家の生き様が撮影されている。

もちろんクリエイティブなものは、作り手の豊かな想像力が作品の良し悪しを決定づけるものだ。だけど作り手の頭の中で完結するというわけではない。足を使い、あらゆるものを目にすることによって、想像は創造へと変化する。

鑑賞者としての僕は、その一端を垣間見ることができるわけだ。大きなスクリーンで観ることで、そのダイナミクスを実感することができる。こんなに幸せなことはない。

映画館というメディアが、これからも大切に守られていきますように。そう願ってやまない。

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(映画館で観ました)

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ほりそう / 堀 聡太
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