自分を理解し、自身の考えに基づき、判断行動できる状態を精神的に自立した 状態といいます。 こういった人たちの特徴の一つとして他者をコントロールしようとしないことがあります。 言い換えると、精神的に自立していない人は自身ではなく、他者をコントロールしようとします。 自立している人は、自分のことをよく知っています。 自分がどんなスタンスで何を大切にしているかなど・・・ 誰かからの意見に影響を受けることはありますが、最終的には 自分の責任で判断や決定ができます。 そして、他
「人間は自由の刑に処されている」と言った哲学者がいました。 フランスの哲学者 ジャン・ポール=サルトルは、人の自由について考えました。 サルトルは「実存主義」という思想を唱えた人物でした。 哲学者でありながら、小説家であり、劇作家でもありました。 そして、彼の思想は多くの人に影響を与えサルトルの葬儀には5万人もの人が参列したそうです。 当時の時代背景には、第二次世界大戦によって、それまでの価値観が大きく揺らいだヨーロッパの 人々がいました。 何を信じ、何を頼ればいいか
悩んでいる人や、完全主義の人の特徴として欠けた部分に目がいきがちになってしまうことがあります。 ゲシュタルト(療法)という考え方があります。 ゲシュタルト以前の精神分析では、「過去への志向」や「心の分析的解釈」など問題とされる部分に焦点を当てる考え方が主流でしたが、ゲシュタルトでは「物事の全体像」を捉えていこうと考えました。 どこに焦点を当てるか? これが、ゲシュタルトでは重要になります。 特に悩みを抱える多くの人は、自らのダメだと思う部分に焦点を当ててしまいます。
子どもたちに食事や、様々な支援、体験を提供することを目的として活動をしている 「とれぶりんか東京支部 子ども食堂」に今年の3月より参加させて頂いています。 たまたま、お話を頂く中で私自身、以前子どもたちに携わる仕事をしていたこと、 現在、カウンセラーとして活動する中で、いまの自分にも何か手伝えることがあれば と思い、携わらせて頂いています。 先日24日に東京支部第2回目の子ども食堂が行われました。 コロナ禍での開催ということもあり、今回はカレーのお持ち帰りと、お菓子やお
物事を理解しようとした時に人は、モノや事象に対して 「なまえ」をつけ顕在化させます。 なまえがつくことで、今まで存在しなかった、または 曖昧だったものを概念として捉えようとします。 これは、「分からない」という不安に対して安心を得ようと するためと言われます。 以前私は福祉の現場で働いていました。 そこでは「認知症」と診断された方々がたくさんいました。 「認知症」という病名自体は近年できた病名です。 人が老化やなんらかの原因によって著しく脳の記憶に関わる機能が
普段、お話を聴いていると自分には何かが欠落している と、悩まれていることがあります。 私は、全てを持っている完璧な人を見たことがありません。 欠落しているものがない、常に完璧な存在。 多分、それはもう人ではないのでしょう。 欠けているものがあるから、それが個性になる。 そんな風に私は思います。 欠けている部分があれば、持っているものもあるということです。 どうしても欠けている部分にばかり目が行きがちになりますが 持っているものもたくさんあるはずです。 無いもの
#23 怒りの前に期待がある 〜イライラから学ぶこと〜 この前、いつものスーパーにお気に入りのチョコを買いに行きました。 しかし、売り切れており、少しイラっとしました。 「なんで売り切れてるの。」 「いつもはあるのに。」 「誰か大量に買ってたの?」 などと思いながら、少し不機嫌に帰りました。 「怒り」は自分を守ろうとするための当然のリアクション であり、自然な感情です。 しかし、過大な怒りはストレスとなり自身や他人の心や体に 大きな影響を与えます。 そして、人間関係
私が以前、児童養護施設で働いていたときに とても尊敬する上司にこんなことを言われました。 「お前は、子供を倒したいのか?」 当時、私はその子供がとった行動が間違っていると 私の価値観で決めつけ、行動を正そうとしました。 その子がどういった価値観で、なぜそのような行動を とったのか? その時、それを理解しようとせず、どうやってこの子の 間違った行動を正そうかと考えていました。 人にはそれぞれ違った「価値観」が存在します。 それは子供であっても同様です。 大人だから正しい
以前書いた、哲学者ショーペン・ハウアーの言葉に 「幸せを数えたら、あなたはすぐ幸せになれる」 という言葉があります。 「幸せ」とは何かを考えましたが 幸せとは、自身の中にしか存在しないものなのだと思います。 事実としての出来事を変えることはできなくても、捉え方次第で それは幸せにも、不幸にもなります。 人は、その基準を他人と比べることがあります。 あの人より、〇〇だから幸せだ。〇〇だから不幸だ。 この基準を決めるのは自分自身です。 他人を通して、自身の「幸せ」を測る
音楽は心に大きく働きかける力があります。 それは心に溜まったものを吐き出させたり、過去と繋がり癒しを得たり と人の情動に影響を与えます。 1950年代にアメリカの精神科医であるアルト・シューラーは、 「患者の気分や心理的テンポに適合した音楽を使用することが治療を促進する」 という「同質の原理」を提唱しました。 例えば、失恋した時には無理にテンションを上げようと「元気な曲」を 聞くのではなく「失恋ソング」を聞いた方が実は癒されているという考え方です。 普段の生活でも、いつ
眠っているときに見る「夢」ですが、これにはどんな意味があるのでしょうか。 夢についての研究は、まだ分かっていないことも多く、 なぜ、夢を見るのかという正確な理由はわかっていないようですが 「記憶の整理とひらめきの時間」と言われています。 心理学においても昔から「夢」についての研究はされており、 フロイトは「夢とは抑圧された願望を幻覚的に充足することで睡眠を 保護する精神の機能」と考えました。 つまり、現実世界での満たされない欲求を夢でなんらかの形で見せている ことになりま
人には、視・聴・嗅・味覚などの感覚があります。 その中でも、特異なのが「嗅覚」で、人の情動に直接アプローチできる と言われています。 そして、その感覚の情報は脳へ送られます。 人の脳は横から輪切りにすると大きく3つに分かれます。 外側に理性・知性を司る新しい脳「大脳新皮質」 その内側に、本能を司る古い脳「大脳辺縁系」 一番中心に、無意識に生命の維持を司る「脳幹」があります。 この中でも人の情動に関わるのは「大脳辺縁系」です。 ここには、人の情動や記憶を司る「扁桃体」や「海
コミュニケーションにおいて、人を非難したり、威圧的な態度を取る場合 その多くが、不安や恐怖が行動原理となっていることが多くあります。 つまり、自信がないから他者を攻撃してマウントを取ろうとする。 自分の安心できるポジションを確保しようとする行為が攻撃になります。 人には、自身の安心や安全を確保したいという根源的な欲求があります。 攻撃により、安心を得ようとしているのです。 しかし、人の本当の不安や恐怖の原因は自分の中にしかありません。 つまり、いくら外側に向けて攻撃
新しい価値観や、考え方に気づき、吸収した時に人は変化します。 人には恒常性「ホメオスタシス」(常に一定に保とうとする力)があります。 例えば、外の気温に関わらず、一定の体温に保とうとする働きや、体の中の 水分量やウィルスなどの異物がない状況を作るなど・・・ ダイエットなどである一定から体重が落ちにくくなるのもこんな働きがあるからです。 しかし、その「一定」が崩され、また違った「一定」ができた時に、人は変化します。 ホメオスタシスとは、身体に限ったことだけでは無く、心にも
ヤマアラシのジレンマの寓話や幸福論などで有名な、 ドイツの哲学者アルトゥール・ショーペンハウアーの残した言葉には、人の本質を分かりやすく表したものがたくさんあります。 私は、この言葉の数々が大好きで、時には助けられ、自分を考えさせられることがあります。 「虚栄心は人を饒舌にし、自尊心は沈黙する」 人は見栄を張ろうと、取り繕おうとすればするほど、言葉に頼りがちになります。 しかし、自分を肯定的に捉えることができれば、本来そんな必要はありません。 つまり、「自信があれば黙
ダイエットを始めようとする時、まず今の体重を測り確認すると思います。 そこから目標体重を決め、体重を落とすための行動をとっていきます。 体重に限らず、「少しお腹が出てきたから引っ込めたいな・・・」 と現在の状態を知ることで行動を起こそうと考えるものです。 これは心も同様です。 心理テストとは、中々、把握しづらい自分の心を客観的 に可視化することができる、とても優秀なツールです。 一口に心理テストと言っても、その種類や方法は用途により様々です。 自性格傾向やコミュニケーシ