#20 気持ちに沿った音楽を 〜同質の原理〜
音楽は心に大きく働きかける力があります。
それは心に溜まったものを吐き出させたり、過去と繋がり癒しを得たり
と人の情動に影響を与えます。
1950年代にアメリカの精神科医であるアルト・シューラーは、
「患者の気分や心理的テンポに適合した音楽を使用することが治療を促進する」
という「同質の原理」を提唱しました。
例えば、失恋した時には無理にテンションを上げようと「元気な曲」を
聞くのではなく「失恋ソング」を聞いた方が実は癒されているという考え方です。
普段の生活でも、いつもはとても好きなアーティストの好きな曲なのに、
なんかしっくりこず、途中で止めてしまう。
そんな時は、今の心の状態とその音楽が合っていないことがあります。
私自身、たまにランニングをしますがその時、音楽を聞きながら走ります。
初めのうち、アップテンポな曲でテンションを上げながら走ろうと思い聞いていましたが、全然しっくりこず、最終的に「怖い話」を聞きながら走るのが一番しっくりきて、今も走る時には怖い話を聞きながら走っています。
単純に怪談が好きっていうのもあるのでしょうが、走っている時は内容は
あまり入ってこず、独特のテンポと低めのテンションがランニングをしている自分のテンションと合っているのだと思います。
人の感情は、底に着けばあとは上るしかありません。
ヘコんでいる時に、無理にテンションを上げようと頑張ってしまい疲れて
しまうこともあります。
悲しい時やヘコんだ時には、自分の気持ちを代弁してくれるような音楽を聞き自分の感情と向き合うことで立ち直りは早くなります。
思いっきり泣いて、悲しむことも人に与えられた感情表現です。
つらいときに、自分が今、つらい状態であることと向き合い認めることは
早く元気になれる近道かもしれません。
Li(y)s 心理カウンセラー 北原正一郎
https://www.liys-mental.com
東京都荒川区東日暮里
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