#16 自分の正しさを疑うこと 〜思考の柔軟性〜
新しい価値観や、考え方に気づき、吸収した時に人は変化します。
人には恒常性「ホメオスタシス」(常に一定に保とうとする力)があります。
例えば、外の気温に関わらず、一定の体温に保とうとする働きや、体の中の
水分量やウィルスなどの異物がない状況を作るなど・・・
ダイエットなどである一定から体重が落ちにくくなるのもこんな働きがあるからです。
しかし、その「一定」が崩され、また違った「一定」ができた時に、人は変化します。
ホメオスタシスとは、身体に限ったことだけでは無く、心にもあります。
自分の中の価値観や考え方が習慣となり変化しづらくなります。
そしてそれは、時に呪いのようにその人を縛って苦しめてしまうこともあります。
自分が正しいと思っていることに対して、真逆の意見を言われた時に人はそれを否定したくなります。
しかし、これはあくまでも自分が決めた価値観やルールから外れていただけでそれが本当に正しいかどうかはわかりません。
むしろ、考えや価値観自体に「正しさ」は無く、「そう考えている」という事実しかありません。
そしてそれは、否定や肯定をする対象ですらないのかもしれません。
自分の価値観と違った意見に出会った時に、否定をするのでは無く、理解しようとすること。
なぜ、その意見に至ったのかと考え、理解することが自身の新たな学びにもなり、相手を理解するきっかけにもなります。
そして、相手の意見に耳を傾け理解できる人は人間関係であまり、ストレスを感じることはありませんし、人とのコミュニケーションも円滑に図ることができます。
自分の正しさを疑うこととは、自らと、他者を理解することです。
人は理解を求めるものです。
「理解」することは自分も、人も幸せにすることなのだと思います。
Li(y)s 心理カウンセラー 北原正一郎