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作・絵…ジミー〈幾米〉 訳…宝迫典子『君といたとき、いないとき』

 こんばんは。

 大切な友達との別れを経験し、その悲しみや寂しさに寄り添ってくれる本をお探しの方におすすめの絵本をご紹介します。

 物悲しいストーリーですが、希望も感じさせます。


 ⭐️あらすじ(結末まではネタバレしません) 

 主人公は一人の少年。

 彼はお母さんと暮らしているけれど、いつも忙しくて構ってくれないし、お父さんは遠くに住んでいます。

 彼はある日、空から落っこちてきた月と偶然出会います。

 彼は弱っていた月を、まるでたまごから雛を孵すようにあたため、赤ちゃんをあやすように優しく抱っこして揺らしたり、子守唄を歌ったり、話しかけたりしました。

 月は少しずつ元気を取り戻し、二人は仲良くなりました。

 寂しいもの同士、心が通じ合ったのかもしれません。

 二人はどこへ行くにも一緒。

 お互いに大切な友達です。

 けれど、月が闇を照らさなくなったことで、人々の心は荒む一方。

 木々は枯れ、川の流れは止まりました。

 人工の月が幾つも作られたけれど、本物の月にはかなわず、人工の月たちは哀れにも人々に捨てられてしまいました。

 彼は決心します。

 悲しみなんか消えてしまえ、月の光でみんなを照らそう、と。

 彼は月を空に帰そうと懸命に努力。

 大好きなのにさよならを言わないといけない時が迫っていました。



 以上が途中までのあらすじです。

 結末が気になる方は是非読んでみてください。 

 作中で時々出てくる、

「覚えてさえいれば、それは永遠に存在するのだろうか?」
(『君といたとき、いないとき』から引用)
「ぼくには君が見えないけれど、ぬくもりを感じることができるから」
(『君といたとき、いないとき』から引用)

 といった作者からのメッセージとも取れる意味深な言葉に、わたしはこの絵本を読みながら、亡くなった友達のことを思い出さずにはいられませんでした。

 友達がこの世にいた時も、いなくなった今も、友情は変わらないと思います。

 人生は出会いと別れを繰り返していて、まるで月の満ち欠けのよう。

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