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作…ティム・バートン 訳…永田ミミ子『ティム・バートン ナイトメアー・ビフォア・クリスマス』

 ハロウィンにもクリスマスにも楽しく読める絵本。

 残念ながら新品は書店では入手困難となっていますが、中古本なら多少売られているようです。



 映画版と少しだけストーリーが異なるので、映画ファンも新鮮な気持ちで読めます。

 骸骨なのにユーモラスで可愛いジャック。

 ゆうれい犬なのにとっても愛らしくて、ギュッと抱きしめたくなるゼロ。

 不気味な姿だけれどみんな仲の良いハロウィーンランドの人々。

 そしてサンタクロースといったキャラクターたちが登場します。

 ※以下のレビューにはネタバレを含みます!




 同じことを繰り返す日々に飽き飽きしていたハロウィーンランドの王様ジャック。

 彼はある日、新たな人生の楽しみを求めて、「今年はぼくがサンタだ。あなたは〝おばけだぞー!〟とさけんでいればいい」と無理矢理サンタクロースと役割を交代してしまいます。

 ジャック・サンタと赤鼻のゼロと骸骨トナカイの一行は、子どもたちにクリスマスプレゼントを配って回りますが…、不気味すぎて大不評!

 みんなが怖がってジャックたちにミサイルを向けるシーンは、ジャックたちをあたたかく照らす満月と冷たく無機質なミサイルとの対比が美しくもあり恐ろしくもあります…。

 撃墜されて希望を打ち砕かれたジャックの姿を見ると、わたしまで悲しくなってしまいました…。

 しかし、酷い目にあわされたにもかかわらずジャックを許すサンタクロースの優しさや、どんな時もジャックのそばに寄り添うゼロの愛が、読み手の心に沁みます。

 特にゼロの姿はいつもわたしの心を打ちます…。

 「大好きな人のそばにいたい」という気持ちが伝わってきて、とても共感します。

 きっとそれがゼロの、この世に留まっている理由。

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