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著…譽田亜紀子 監修…武藤康弘 イラスト…スソ アキコ『知られざる縄文ライフ』

 読者の興味を引く文章やユーモラスなイラストのおかげで、漫画のような感覚で楽しく読める本。

 我々は品物や遺跡等から「縄文時代の人たちはこういう暮らしをしていた…のかな?」と想像するしかなく、実際どうだったのかは現代人には分かりません。

 しかし、その「想像する」過程が面白いです。

 この本では、

 ●縄文人はどこからやって来たか
 ●1日のタイムスケジュール
 ●ファッション
 ●子育て
 ●病気と怪我
 ●埋葬
 ●食料事情
 ●土偶や土器

 といった事柄が紹介されています。

 P80には「日本最古のがん患者」とされる頭蓋骨のX線画像が載っており、見ていて心が痛みました…。

 その頭蓋骨にはがんが転移した跡があり、また、頭蓋骨の持ち主は30代で亡くなったと考えられているそうです。

 わたしは「この頭蓋骨の持ち主もいつか人類ががんを克服する日を待ち望んでいるかもしれない…」と想像せずにはいられませんでした。

 そして、遠い遠い日に日本列島で生きて亡くなった大先輩の死を悼みました。

 また、

 出土するイヌの骨は全身揃うことが多く、人の手によって埋葬されたと判断されます。時には人と一緒に埋葬されていることもありますから、かけがえのない存在だったことが容易に想像できます。

(著…譽田亜紀子 監修…武藤康弘 イラスト…スソ アキコ『知られざる縄文ライフ』P52から引用)


 という記述からも、縄文時代の人々に共感しました。

 犬を狩猟の道具としてではなく、かけがえのないパートナーとして大切にしていたことが伝わってきたから…。

 縄文人も現代人も、心は変わりませんね…。



 〈こういう方におすすめ〉
 縄文時代について漫画感覚で楽しく学べる本を探している方。

 〈読書所要時間の目安〉
 1時間半〜2時間くらい。

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