著…スーザン・セリグソン 訳…実川元子『巨乳はうらやましいか? Hカップ記者が見た現代おっぱい事情』
Hカップの女性記者が、
●なぜ人は巨乳に惹かれるのか?
●なぜ人は胸を理想のサイズにするべく豊胸手術(性別適合手術も含め)や減胸手術を受けるのか?
●なぜ胸は大きく進化したのか?
といったことについて真面目に考察している本です。
15年以上前に出版された本ですが、今読み返しても興味深いです。
「Hカップ」という表記を見てHな本だと誤解して性的なものに対する嫌悪感を覚えてしまった方も、すぐに回れ右してしまう前に、試しに一度この本を手に取ってみませんか?
この本に紹介されている或る一説によると、人類は進化の最初の頃、膨らんだ胸に対して嫌悪感を抱いていた可能性があるそうです。
なぜなら、膨らんだ胸は子育て中であることを意味するから。
胸が大きいということは、その女性と子どもを作れないサインとして認識されていたのかもしれませんね。
現代の微乳好きの皆さんは「成熟していない女性が好き。すなわちロリコン」と悪評を立てられがちのようですが、この一説に則るならば、微乳好きは理にかなっていますね。
しかし、人間が歴史を刻んでいく過程で、膨らんだ胸への性的な嫌悪感は一般的なものではなくなっていったそう。
この理由について、この本では、膨らんだ胸を良しとするかどうかはその国の文化にもよると述べつつ、以下のような説を紹介しています。
性的に魅力的な女性は男性から子育てしやすい環境を提供され、生殖しやすくなり、生殖によって胸が大きくなり、その胸の大きさが性的に魅力ある女性であることを示すため、また男性が惹きつけられる、と。
うーん、すごい循環ですね!
人を惹きつけるためではなく、自分の胸を好きになるためにサイズを調節する人もいますし、人それぞれですね。
胸はどんな見た目であっても「胸である」というだけで人を惹きつける不思議な力がありますから、こうして大真面目に胸について論じるのは面白いです。
〈こういう方におすすめ〉
胸に関する文化に興味がある方。
〈読書所要時間の目安〉
2時間くらい。