著…歌野晶午『ずっとあなたが好きでした』
人が人を好きになる。
それには色んな形があって、理屈ではどうにもならない。
いつ・どこで・誰が・誰を・どんな風に・いつまで好きになるかは、誰にも予想出来ない。
…ということの不思議さに気づかせてくれる短編小説集。
どの作品も短いので、たとえば電車の中で読めば数駅分くらいで一つの作品を読み終えられます。
(ただし紙書籍版はかなり分厚いので、持ち運びには一苦労します)
また、中にはイヤミス要素がある作品もあるので、読み終えた時に「そうきたか…」と軽いショックも残るのがこの本の特徴です。
どんな形であっても、人を好きになるのは素敵なこと。
けれど、恋は綺麗なだけではありません。
嫉妬。
性欲。
執着。
色んなものが生々しく絡み合います。
時には死も招いてしまう…。
しかし、この本に収録されている作品の中には、至純な「好き」を含むものもあります。
これだから恋物語を読むのをやめられません。
それに、この本は、読み進めるほどに点と点が繋がっていって…、最後まで読んだらゾクッときました。
〈こういう方におすすめ〉
恋にまつわる短編小説を読みたい方。
〈読書所要時間の目安〉
作品数が多いので、小分けに読むのがおすすめ。
一気に全て読むと3時間くらいかかると思います。
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