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著…伊藤賀一『世界一おもしろい日本史用語の授業』

 一見、学生向けに見えるタイトルですが、社会人向けだと思います。

 「紀元前」「紀元後」「元号」などの、誰もが必ず一度は目にしたことがあるけれど誰かに質問されたらうまく説明出来ないかもしれない用語について教えてくれる本です。

 原始、古代、中世、近世、近代、現代における要点がピックアップされています。

 読者を飽きさせないように、

 「おチビさん(倭)→ライジングサン(日本)」

 「京は現代でいうと東京23区」

 「荘園が荒地になっていったのは、仲介業者が飛んでしまった都会の大家が一棟まるごと所有する地方のマンションのような感じ」

(『世界一おもしろい日本史用語の授業』から引用)

 といった風にユーモアをまじえながら、イメージしやすいように説明してくれるので楽しく読めます。

 また、ここからは真面目な話となります。

 特にわたしは、日本に原爆を落とされた件についての著者の憤りに共感しました。

 白人にとって有色人種は人間ではなかったからこそ民間人があれだけ死ぬと分かっていて原爆を落とされたのだ、「アンタら何してくれとんじゃ!」と思わなくなったら自分はその瞬間に日本史の仕事を辞める…という旨を著者は述べています。

 わたしも「アンタら何してくれとんじゃ!」と思わなくなったら自分は人間として終わりだと思っています。

 これはわたしがたまたま癖の強い先生と出会ってしまったからかもしれませんが、わたしは小学校の授業で「原爆投下は戦争を終えるために仕方の無いことだった」と習いました。

 違和感を覚え、先生に「なんで仕方が無いって言い切れるんですか?」と質問したら「口ごたえするな」とゲンコツで殴られた記憶があります。

 心にモヤモヤが残りましたが、成長するにつれて「やはりあんなに民間人を大量虐殺されて〝仕方無かった〟は無いだろう」と確信しました。

 別に今さら報復したいわけじゃないんです、報復は何も生みませんから。

 ただ、一人でも多くの人が戦争にも核兵器にも「No!」の声をあげ続ける必要があると思います。

 同じようなことを世界のどこかで再び起こされないためにも…。

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