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著…ヨウスケ、マツモトケイイチロウ、腐肉狼『美しい日本の廃墟 いま見たい日本の廃墟たち』

 こんにちは。

 人間がいなくなった後の世界を想像してみたい方におすすめの本をご紹介します。

 学校、ホテル、戦争関連施設、遊園地、軍艦島、住居といった跡地の朽ちゆく姿が記録された写真集です。

 こうした光景を「美しい」と感じるか「怖い」と感じるかは人それぞれですが、わたしは人間からすれば「寂しい」と感じる場所であっても植物たちからすれば楽園であることに一種の感動を覚えました。

 建物を覆うように生い茂り、わずかな隙間から内部へと入り込んだ蔦が伸びて複雑に絡み合い、なんと木々までもが建物の中でたくましく根を張っていることもあります。

 人工物が時を経て自然と一体化していく力強い姿は圧巻です。

 こうして見ると、「人間は万物の霊長である」などという考えは人間の自惚れに過ぎず、人間も自然の中で生かされているに過ぎないということに気づかされます。

 また、この本のタイトルには「日本の」とありますが、最後にチェルノブイリが掲載されていることにも驚かされました。

 日本にも原子力発電所がある以上、原発事故が起きればその一帯に人が住めなくなり廃墟化するという事実から目を背けてはならないというメッセージが込められているのかもしれません。

 全体的に、「〜らしい」といった詳細不明の記述が散見されるのは残念ですが、古い建物は所有者や権利者が曖昧なことも多く、詳しく調べ上げるのは難しいということでしょうか?

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