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著…大崎梢『プリティが多すぎる』

 どこか懐かしい気持ちになれる小説。

 主人公は、10代の女の子向けの雑誌『ピピン』の編集部に配属された男性社員。

 きらきら、ふわふわ、カラフルで超絶プリティな『ピピン』の雰囲気に、主人公は戸惑います。

 他のみんながコーディネートや撮影プランを工夫して可愛くなろうと頑張る姿にも、主人公は初めは驚いていました。

 しかし、お洒落をすることは素敵だということに主人公も少しずつ気づき始めます。

 そうしてみんなが作り上げていく紙面を想像しながらこの小説を読むと、『ピピン』を夢中になって読む読者の姿も思い浮かびます。

 頭の中に浮かぶその読者に、わたしは10代の頃のわたしや友達の姿を重ねました。

 当時、お小遣いが多くなかったわたしたちは、みんなでそれぞれ雑誌を買って、回し読みをしていました。

 学校に雑誌を持って来るのは禁止だったので、休み時間のうちに先生の目を盗んで交換。

 あの頃夢中になって読んだ雑誌たちは、今はもうありません。

 とても寂しいことですが、休刊或いは廃刊となってしまったからです。

 しかし、紙媒体ではなくデジタルに移行して頑張っている雑誌もあります。

 また、付録をつける等の工夫をすることで本来のターゲット層以外にもアピールし、紙媒体として存続を図っている雑誌もあります。

 いずれにせよ、わたしは本も雑誌も好きなので、出版業界で働く方たちをこれからも応援していきたいです。

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