著…鯨統一郎『作家で十年いきのびる方法』
※注意
以下の文は、結末までは明かしませんが、ネタバレを含みます。
作家デビューしたばかりの主人公に、元上司がこう尋ねます。
「デビューした作家が何人、生き残れると思う?」
と。
元上司曰く、起業した会社が10年後も生き残っている確率は6%。
10年生き残れば一人前。
けれど、1年後に生き残っている確率は40%まで下がるそう。
元上司は更に主人公にこう尋ねます。
「お前の武器は何だ?」
と。
「京極夏彦、森博嗣、北方謙三、大沢在昌といった他の売れっ子作家たちに負けない武器はお前にあるのか?」
…と。
これは、その言葉に奮起した主人公が他の売れている作家たちの小説を研究しながら新作を書き続けるという自伝的小説です。
ネットで酷評され、重版にならず、評論家に話題にされず、もがき苦しむ。
この小説を読んでいると、そんな主人公の様子につい感情移入して、「本というのは作家さんたちが心血を注ぎ込んだものなのだ」と改めて気づかされます。
また、主人公が必死に執筆活動をするその10年の間で実際に起きたことにも触れられているので、「そんな事件もあったな…」「あー!そういうの流行ったよね」と頷きながら懐かしく読めました。
〈こういう方におすすめ〉
作家を目指している方。
〈読書所要時間の目安〉
2時間くらい。
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