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作・絵…やなせたかし『やさしいライオン』

 母から子へと注ぐ愛。

 子から母へと注ぐ愛。

 たとえお互いの種族は違っても、その絆は永遠。

 そのことに気づかせてくれる絵本です。


 ⭐️Kindle版

 ⭐️単行本版



 ※注意
 以下の文は、結末の一部を明かすネタバレを含みます。


 お母さん代わりのイヌの「ムクムク」と、みなしごライオンの「ブルブル」。

 ふたりの親子愛はとても美しいです。

 しかし、その対比のように描かれた人間の行動は残酷です。

 自分が銃口を向けている相手は誰なのか?

 それを知らずに、知ろうともせずに、安易に引き金を引いてしまえるのですから。

 もしかしたら、人間側だって自分の親や子を守るためにそうしたのかもしれませんが…。

 目の前のものをよく見れば、それが「年老いた親を抱きしめているだけの子どもだ」ということに気づけたはずなのに…。

 おそらく、「ライオンはこわいものだ」という先入観や、「上から命令されたから」という理由付で引き金を引けてしまう人間の姿に、わたしはなんだかモヤモヤします。

 もしかしたら、著者はこの作品を読んだ子どもたちに、このモヤモヤを感じて欲しかったのかもしれませんね。

 いつか子どもたちが大きくなって、「銃」に象徴されるような力を持った時に、その力の使い方を誤らないようにと…。




 〈こういう方におすすめ〉
 種を超えた親子愛を描いた絵本をお探しの方。

 〈読書所要時間の目安〉
 20分くらい。

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