作…杉みき子 絵…黒井健『月夜のバス』
満月の夜に読みたくなる絵本。
それも、人の気配がしないくらい静かな夜に。
※注意
以下の文は、結末まで明かすネタバレを含みます。
未読の方はご注意ください。
少年が月夜の晩に、海沿いの国道をただひとり歩いています。
月の光、信号、車やバイクのヘッドライト、灯台の明滅がある以外には闇の広がるその道を、少年はただ歩いていきます。
波の音が響くせい?
それとも潮の香りがするから?
少年には、道ですれ違ったバスの中が、まるで青く透き通った水で天井まで満たされ、その中で魚たちが泳いでいるように見えました。
…という不思議な絵本です。
少年がその後どこまで歩いて行くのかは、誰にも分かりません。
もしかしたらこれは現実ではなく、少年の夢の中なのかも…。
或いは、少年はこの世の人ではなく、月夜の晩にふっと現れては歩き続けて、やがてふっと消えてしまうのかも…?
…と、色んな想像をかき立てられます。
闇に浮かび上がるような絵も素敵。
なんて美しい幽玄の世界。
〈こういう方におすすめ〉
大人向けの美しい絵本を探している方。
〈読書所要時間の目安〉
15分くらい。
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