著…上原光晴『「回天」に賭けた青春 特攻兵器全軌跡』
こんにちは。
第二次世界大戦における「回天」について調べている方におすすめの本をご紹介します。
この本には、回天の原案がどのように作られ、兵器として採用され、そして出撃に至ったのかが書かれています。
回天。
それは、水中深く潜って敵艦を攻撃する特攻兵器のこと。
別名・人間魚雷。
爆薬を積んで敵艦に体当たりするので、回天に乗っている日本兵も当然死んでしまいます。
たとえ敵艦に体当たり出来なかったとしても、回天に乗っている日本兵は死にます。
なぜなら、回天には脱出装置がついていないから。
誰かにハッチを開けてもらわない限り、自力では出られません。
だから、日本兵は攻撃に失敗して回天ごと海底に沈んだとしても、そのまま狭くて暗い回天の中でただ一人、酸素が無くなって死ぬのを待つか、自決するしかありません。
悪夢のようですが、残念ながらそれは夢ではなく現実。
実戦使用前の訓練の段階で日本兵に死者が出たにもかかわらず、それでも回天は使われたそうです。
この本には、酸素が欠乏していく回天の中で日本兵が書き遺した遺書や辞世の句も載っています。
どれほど恐ろしく、苦しく、無念だっただろうか…と涙なしには読めません。
事故はその後も起きたのに、回天は戦争の最後の最後まで使われたそうです。
狂気の沙汰としか言いようのない兵器ですが、そんなものを使わざるを得ないほどに当時の戦況が追い詰められていたということが伝わってきます。
わたしはこの本を読んでいて、悲しいというよりは、そんな戦争を起こしたものへの怒りと、かつての若者たちがそんな恐ろしい特攻を強いられてまで守ろうとした日本なのに今の日本ときたらどうなのか…と非常に恥ずかしくなりました。
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