著…山口謠司『語彙力がないまま社会人になってしまった人へ』
頭の中の考えを言葉で的確に表現し、社会人として恥をかかないために、最低限知っておくべき51語をカタカナ語も含めてまとめた本。
そもそも「語彙」とはどういう言葉なのかご存知ですか?
この本によると、「語彙」の「彙」はハリネズミのことだそうです。
多くの針。
つまり、言葉が広く出ていくという意味。
だから人が使っている言葉の集まりを「語彙」と表現するそうなのです。
改めて考えてみると、言葉って本当に不思議ですよね。
この本にはたとえば、
●「なるほど」という言葉は俗語なので、公式の場では使わないほうが良い。
●基本的に和語には「お」が付き、漢語には「ご」が付く。たとえば「お菓子」「ご飯」など。
●「相対的」は他のものと比較してという意味。「絶対的」は誰が見ても明らかなもの。
●「順次」は受身、「逐次」は能動、「随時」は条件で使い分けるもの。
●「あまつさえ」は「その上」という意味と「驚いたことに」「あろうことか」という意味がある。
●「いみじくも」の「いみじ」は善くも悪くも程度のはなはだしいことを意味する。
などなど様々な言葉が紹介されていて、とても勉強になりました。
『第5章 そもそも間違って覚えている可能性が高い語彙』には、「的を射る」(得る、ではない)、「言葉を濁す」(口を、ではない)、など間違って使っている人が多い言葉が載っているので、社会人として大恥をかかないために参考となります。
それにしても、わたしはこの本で「忖度」の本当の意味は他人の心を推し量ることだと知って、非常に驚きました。
一時期、流行りましたよね。
「忖度」という言葉。
てっきり、いわゆる上級国民の意図を汲み取ってその望みをかなえるという意味かと思っていました。
本来はとても素敵な言葉だったのですね、「忖度」って。
わたしもこれから勉強して語彙をどんどん増やしたいです。
〈こういう方におすすめ〉
日本語をより広く深く学びたい方。
〈読書所要時間の目安〉
2時間くらい。