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著…イモトアヤコ『棚からつぶ貝』

 イモトさんと身近な人たちや異国の人たちとの交流が綴られたエッセイ。

 「南米最高峰のアコンカグアという山を登った」とか「南極にいた」といったぶっ飛んだ話があくまでも自然に出てくるので、その超人っぷりに圧倒されますが、読めば読むほどイモトさんの気取らない・飾らない・素直な人柄に惹かれます。

 家族のこと、友達のこと、『イッテQ!』メンバーやスタッフのこと、登山のこと、石﨑さんとの結婚のエピソードも読めて盛りだくさん。

 イモトさんの、大好きな人たちに対する「あたしゃあなたたちが大好きだよ!」という気持ちが詰まった宝箱のような一冊。

 この本を読むと、「あたたかい人の周りにはあたたかい人たちがいるものなのだな」と幸せな気分になれます。

 また、わたしは片想い中なので、イモトさんが石﨑さんに想いを伝えようとした時の、

「多いときには1年の半分以上を一緒に海外で過ごしてきた。ただ日本にいるときにプライベートで会う事は全くなかった。これをいうとよく驚かれるのだが、本当に2人でご飯を食べに行くだの、メールをするだのは一切なかったのだ。そんな関係が当たり前の相手に、好いているという想いを伝えるときの勇気ったらありゃしない。まずどう伝えればいいのか。どうやって誘えばよいのか。場所はどうするのか」
 (P214から引用)

 と思い悩んだエピソードに激しく共感しながら読みました。

 バンジージャンプをしたり、蛇を食べたり、コモドドラゴンと追いかけっこしたり、難攻不落の山に登ったり出来る人でも、生身の人間。

 恋をすると臆病になるものなのですね。

 なお、イモトさんの場合は、告白する前に神社へおみくじを引きに行ったのだそうです。

 「大吉が出れば絶対に大丈夫だ」と自分に言い聞かせて。

 …出たのは小吉。

 しかし、イモトさんはそこで諦めたりしませんでした。

 都内の神社を回って、大吉が出るまでおみくじを引き続けたのだそうです!

 ガッツがあって素敵!

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