著…木下半太『悪夢のエレベーター』
主人公が見知らぬ人物3人と共にエレベーターに閉じ込められるところから始まる小説。
シナリオ風のさらっとした文体で、テンポ良く読めます。
何度もあるどんでん返しはなんとなく予想がついてしまうけれど、サイコな展開にゾクゾクします。
※注意
以下の文は、結末までは明かしませんが、ネタバレを含みます。
主人公は早くエレベーターから脱出して、妊娠9カ月で陣痛を訴える奥さんのもとへ駆けつけようとしています。
…と、こう聞くと、主人公を応援したくなりますよね?
実はこの主人公、不倫相手のマンションのエレベーターに閉じ込められているのです。
奥さんは妊娠9カ月。
不倫相手とは付き合って1年半。
…何この、主人公たる資格のない主人公!
さて、主人公は泥酔した不倫相手をマンションに送ったところで、臨月間近の妻から「めっちゃお腹痛いねんけど!」と電話がきて、慌ててエレベーターに乗ったところなのです。
お腹の子の名前はまだ決まっておらず、奥さんは「陽子がいいな」と言っています。
ちなみに陽子は浮気相手の名前。
不倫してること、めちゃくちゃバレてるじゃないですか!
主人公がどの階のボタンを押してもエレベーターは反応しません。
非常用のボタンも、ウンともスンとも言いません。
助けを求めて叫んでも、誰一人として救助に来ません。
やがて、主人公と一緒にエレベーターに閉じ込められた3人は奥さんに雇われていて、主人公の本心を録音するためにエレベーターを止めたことが判明します。
不倫してること、めちゃくちゃバレてるじゃないですか!!
しかし。
この小説は、主人公が奥さんに「愛してる」と言って不倫相手と別れてハッピーエンド…となんてヌルい展開にはなりません。
続きを知りたい方は、是非この小説を読んでみてください。
結末にゾッとしますよ。
その、歪んだ愛の形に…。
〈こういう方におすすめ〉
どんでん返しのある小説を読みたい方。
〈読書所要時間の目安〉
1時間半〜2時間くらい。
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