作…アンデルセン 絵…清川あさみ『人魚姫』
「人魚姫は王子様のこともお姫様のことも守ったのに、どうしてこんな最期に…」と心を痛めたことのある方におすすめしたい絵本。
スパンコールや糸やビーズできらきらと輝き、とても美しいです。
※注意
以下の文は、結末まで明かすネタバレを含みます。
未読の方はご注意ください。
この絵本では、人魚姫は泡になったりしません。
かといって、王子様もお姫様も傷ついたりしません。
お姫様のお姉さんたちの髪の毛は短くなってしまいます。
けれど、誰も消えて無くなりはしないのです。
この絵本は、文章には漢字が多めに使われているし、絵本にしては文章量も多め。
だから、その分どうしてもこの絵本は大人向けになってしまいます。
けれど、子どもが文章を見た時「読めないけど、ここには何か大切なことが書かれているんだろうな」と感じてくれるように漢字や平仮名などが配されている…とわたしは思います。
そのために文章のフォントには小学校の教科書を彷彿とさせる優しいフォントを使ってあるのだろうし(わたしが勝手にそう感じるだけですが)、字は紺色です。
きっと、大人にも子どもにも受け入れられるように。
もしかしたら、これは人魚姫が大きな決断を下した時の海の色かもしれませんね。
もしそうだとすればわたしは嬉しいです。
絶望を思わせるような真っ黒じゃないから。
特にP98、P99の絵は、人魚姫が花びらと陽の光と甘い風の中で空の娘たちと舞っているように見えて美しいです。
幸福な一生とは言えないかもしれませんが…、きっと人魚姫は少しも寂しくないのでしょう。
〈こういう方におすすめ〉
『人魚姫』の物語に心を痛めたことがある方。
〈読書所要時間の目安〉
30分くらい。
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