著…朝日新聞取材班 イラスト…ヨシタケシンスケ『「小さないのち」を守る 事故、虐待、いじめ…… 証言から学ぶ予防と対策』
沢山の子どもたちが命を奪われた様々な事例が紹介されていて、読み進めるのが非常に辛い本です…。
しかし、子どもの命について考える機会をくれる貴重な本でもあります。
●乳児がうつ伏せで寝ると危険だということを親が知らなかった
●ライフジャケットを着用せず、水の事故に遭った
●ドラム式洗濯機に閉じ込められた
●横断歩道を渡っていたのに、前方不注意の車にはねられた
●学校で心停止し、心臓マッサージなどの救命処置をしてもらえなかった
といった事故や、
●交際相手の機嫌を取るために元夫との子どもを殺した
●育児ストレスで子どもに暴力をふるった
●子どもと無理心中を図った
といった虐待、
●学校でいじめられていた子が、その子なりのSOSのサインを出していたにも関わらず、救いの手が差し伸べられることはなく子どもが自殺した
●いじめを傍観してしまったことを悔やんで不登校になった子
といったいじめ問題…。
全てのエピソードにではないけれど、実際に幼くして亡くなった子どもたちの名前と顔写真が載っているので、ページを捲る手がとてもとてもとても重く感じます…。
けれど、同じような子どもがこれ以上増えないようにするためにも、この本を一人でも多くの人に読んで、命の大切さについて考えて欲しいです。
全てのエピソードが心に焼きつきましたが、わたしは特に、P123に載っている3歳の女の子のエピソードに胸が引きちぎられるような思いがしました。
その子は実の母親に橋の欄干に立たされて、母親に手を離される前に、にこっと笑って「バイバイ」と言いました。
そして翌日、橋の下流でその子の遺体が見つかったそうです…。
…その子がどんな思いで「バイバイ」と笑ったのか…。
それを想像するだけで、誰に向けようもない怒りがこみ上げてきます。
〈こういう方におすすめ〉
どんな子どもにも、辛い思いをせず、安心してすくすく育って欲しいと願う方。
〈読書所要時間の目安〉
半日〜1日。
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