著…舘林愛『生きているかぎり語りつづける』
長崎で被爆した谷口稜曄さんとその奥様の物語を描いた絵本。
優しい語り口やイラストのおかげで話がスッと頭に入って来る分、戦争や核兵器の残酷さもまた、心の奥深くまでグサッと刺さります。
原爆が投下された直後の街の様子。
想像を絶する治療の辛さ。
一生背負っていかねばならない大きく深い傷痕。
正体不明の後遺症。
日常生活への支障。
差別と偏見…。
中には目を背けたくなる描写もありますが、芯の強い奥様の存在にも救われて、読み手はこの本を読み進めることが出来ます。
奥様の、
という言葉にもわたしは心打たれました。
「歴史の一部」になってしまうとどこか他人事のようになってしまうけれど、生きている人間のリアルな声と裸は、雄弁に訴えかけますよね…。
これが戦争だ。
これが核兵器だ。
…と。
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