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著…山口悟『「なぜ薬が効くのか?」を超わかりやすく説明してみた』
●口から入った薬はどのようにして食道、胃、小腸、肝臓、そして全身の細胞に行き渡るのか
●ドラッグストアで買える薬と買えない薬の違い
●解熱鎮痛薬と一緒に胃薬が処方される理由
といった事柄をはじめとして、細菌、ウイルス、生活習慣病、薬の副作用に至るまで、健康にまつわる様々な知識をまとめた本。
本の性質上どうしても専門用語が多いので、大人向けではありますが、なるべく噛み砕いた表現で説明してくれます。
⭐️Kindle版
⭐️単行本版
わたしは特に関心を持ったのは、第4章2の『抗菌薬のしくみ』。
漫画『JIN -仁-』にペニシリンが出てきたのを読んで以来、抗菌薬の歴史がとても気になります。
この本によると、
ペニシリンを発見したのは、イギリスの細菌学者、アレクサンダー・フレミングです。彼は「黄色ブドウ球菌」という細菌を培養していました。ある時、そのシャーレ(培養に使うガラス製の器)に青カビが意図せず混入してしまいましたが、彼は気づかずに休暇を取りました……。
休暇を終えて細菌の状態を見ると、混入した青カビの周囲には細菌が繁殖していませんでした。つまり、青カビが黄色ブドウ球菌の繁殖を抑える物質を産生していることが示唆されたわけです
(中略)
ハワード・フローリーとエルンスト・ボリス・チェーンという研究者が、実際に青カビの培養液からペニシリンを粉末として取り出しました。さらに時は流れ、1940年代後半から感染症の治療に広く用いられるようになりました。
とのことで、失敗がむしろ成功を生んだ良い例ですよね。
そしてその研究を後世の研究者たちが引き継ぎ、今日の医学に活かされているということにも胸が熱くなります。
なんだかリレーのよう。
〈こういう方におすすめ〉
体の中でどんな風に薬が作用するのか、また、細胞の働きや病気について学びたい方。
〈読書所要時間の目安〉
4時間〜4時間半くらい。
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