編…徳間書店児童書編集部『スタジオジブリの 食べものがいっぱい』
『天空の城ラピュタ』のパンと目玉焼き。
『崖の上のポニョ』のハム。
『ハウルと動く城』のベーコンエッグ…。
これは、ジブリ作品に登場するお料理を紹介したアニメ絵本。
残念ながらレシピ本としては参考になりませんが、名場面を振り返りながら読むことが出来るので、ジブリっ子におすすめです。
わたしがまず目を奪われたのは、「ドーラ一家の食事」。
ドーラって、けっこう高齢に見えますし、歯が少ないですよね?
なのに、とっても分厚いハムにかぶりついていかにも簡単そうに噛みちぎるし、ロブスターも難なくバキッと割って食べちゃうし、すごいですよね。
どんな顎の力をしているのでしょうか。
握力も半端ないと見た。
また、多分ワインだと思うのですが、お酒もこぼしても全く気にせずラッパ飲み。
うーん、豪快!
『となりのトトロ』のお野菜たちの瑞々しさもたまりません。
今にも弾けそうに真っ赤なトマト。
いかにもシャキシャキしていそうなキュウリ。
うーん、丸かじりしたい。
『魔女の宅急便』も素晴らしいです。
あのパンの色!
照り!
艶!
ちょっと焦げちゃったホットケーキに添えられたソーセージまでもが食欲をそそります。
そしてなんといっても…『ハウルと動く城』のベーコンエッグですよ…!
あのじゅわ〜っと感がいい…!
わたしもあれに憧れて、何度たまごとベーコンを買って真根して作ったことか…!
でもわたしはあんなに綺麗には作れません。
やっぱり、カルシファーの火でないとダメなのでしょうか?
…それにしても…、この絵本に『火垂るの墓』が出てくることに、わたしは大変驚きました。
紹介されているのは、ドロップ。
確かにこれは節子の大事な食べもの。
だんだん減って、やがてなくなってしまいましたが…。
…他の作品の主人公たちは美味しい食事をとれたのに、あの兄妹はお腹を空かせて…。
…この絵本のタイトルは「食べものがいっぱい」なのに、敢えて「火垂るの墓』のドロップを入れるところに、作り手の想いを感じました。
これからは、全ての子どもたちがもう決してひもじい思いなんてせずに、お腹いっぱい食べられる世の中にしていきたいですね…。
〈こういう方におすすめ〉
ジブリ飯に憧れがある方。
〈読書所要時間の目安〉
30分くらい。