著…撫子凛 監修…丸山伸彦『イラストでわかる お江戸ファッション図鑑 町娘・若衆・武家・姫君・役者・芸者・遊女など』
「江戸時代をテーマにしたイラストや漫画を描いてみたいけれど、着物や髪型に関する大体のイメージすら掴めない!」とお困りの方におすすめの資料集。
この資料集だけで細かいところを理解するのは不可能なのですが、浮世絵を現代らしいイラストに起こした資料集なので、ざっくりしたイメージを掴めると思います。
少女漫画風のタッチで、また、どのキャラクターもスラリとした体型なので、もし「江戸時代の日本人の体型らしいか?」と問われれば「否」と言う他ありませんが、かえってこの方が現代のイラストや漫画にすんなり落とし込みやすいのではないかと思います。
わたしはこの本を読んでいて、たとえば町娘の装い一つとっても、江戸中期と後期とでは全く違うのが面白いなと感じました。
改めて「江戸時代」の長さに驚かされます。
また、「きっと当時の娘さんたちもコーディネートをウキウキしながら考えていたんだろうな」と想像しながらこの本を読むと、なんだか友達のファッションをInstagramで眺めているような気分になってくるから不思議でした。
アイディアの元となった浮世絵の作者名やタイトルも載っているので、それを検索してこの本のイラストと見比べるのも興味深かったです。
また、わたしがこの本の中で特に興味深いと思ったのは、髪型の変遷。
たとえば、女性の髪型で言うと、「自下げ」や「玉結び」といったものは髪さえ長ければ現代人にもすぐ真似できそう。
ですが、「元禄島田」や「片はづし」や「伊達兵庫」といったものは、少なくともわたしには何がどうなってこの状態に仕上がっているのか分かりません。
もしかしたら江戸時代の人たちも、現代人の髪型を見たら「それ、どうなっているのか教えて!」と聞いてくるのかもしれませんね。
〈こういう方におすすめ〉
「江戸時代をテーマにしたイラストや漫画を描いてみたいけれど、着物や髪型の大体のイメージすら掴めない!」とお困りの方。
〈読書所要時間の目安〉
もし元となった浮世絵と見比べながら読むのであれば、1時間半〜2時間くらい。