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著…Akine Coco『アニメのワンシーンのように。』

 この本の冒頭のページを捲った瞬間、わたしは心を奪われました。

 圧倒的な映像美を誇りながらも、あくまで「背景」として、主役であるキャラクターたちの心情にそっと寄り添う。

 そんな日本アニメが描く優しい風景を思わせる写真集です。

 ●『Chapter1 夏の記憶を巡る』
 ●『Chapter2 夕暮れの魔法』
 ●『Chapter3 アフターダーク』
 ●『Chapter4 秋風に吹かれて』
 ●『Chapter5 続く世界』

 という構成。

 どの章でも、空を絡めて撮った写真が目を引きます。

 目の覚めるような夏空のブルーも素敵ですが、まるで水彩画で繊細にグラデーションを描いていくかのように変わりゆく秋空も魅力的。

 私は特に、オープニングと『Chapter1 夏の記憶を巡る』に惹かれました。

 まるで夏休みに田舎のおばあちゃんちの縁側で冷たいラムネを飲んでいるかのような気分にさせてくれます。

 爽やかだけれどどこか切ない。

 また、ゲーム『ぼくのなつやすみ』の世界に入り込んだかのような気持ちにもさせてくれます。

 蝉の鳴き声が今にも聴こえてきそう!

 虫取りに出かけたくなってしまう…。

 近所の子どもたちと一緒に、カゴと虫取り網を持って。

 途中で小川を見つけて魚を探しているうちに、虫取りのことを忘れてしまって。

 汗びっしょりになって、すっかり日焼けしてあちこち痛くなるくらい遊んで。

 そして夕暮れ時、おばあちゃんが「晩ご飯が出来てるよ〜。帰っておいで〜」と遠くから手を振るんだ。

 …なんだかそんな超個人的な思い出が、このオープニングと『Chapter1 夏の記憶を巡る』を見て、心の中に蘇りました。

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