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著…山﨑広子『声のサイエンス あの人の声は、なぜ心を揺さぶるのか』

 なぜ病気になると声が変わるのか?

 なぜ好まれる声が国や時代によって違うのか?

 といった声にまつわる謎について考察する本。

 この本を読んでいると、誰に教わったわけでもないのに人間が生まれた時に産声を出すことや、いつの間にか「あー」「うー」といった発声を繰り返し、物ごころつく頃には色々喋れるようになっている、そういうことって当たり前のようでいて実は凄いことなんだと気づかされます。

 また、P21には、人が他人の話を聞いている時、もっと話を聞いていたいか否かを判断する材料となるのは、話の内容だけではなく声による要素が大きい…ということが書かれていて、これも衝撃的でした。

 ということは、たとえば心ある政治家がいたとしてもスピーチが下手なら支持率は低く、大したことをしない政治家でもスピーチさえ上手なら有権者からの人気を集めて選挙に勝利する、とも言えるでしょうね。

 …うーん、無情だけどかなりのウエイトを占めることかも…。

 また、わたしがこの本で特に興味を惹かれたのは、

 「認知症とパーキンソン病のために言葉も表情も失ってしまった八六歳の女性が、ある歌を聴いたときに突然言葉を発し、一緒に歌い出しました。歌い終わった後には、驚くことに何年も見せたことのない豊かな表情で、一時間ほども談笑したのです。ほかの曲ではそのようなことは起こらず、しかもひとりの歌い手の声にしか反応しませんでした」
(P142〜143から引用)

 という記述。

 一体どなたの歌うどの曲でこういう素晴らしいことが起きたのか気になります!

 きっと、その女性にとって大好きな歌手の声が脳を刺激したのでしょうね。

 「自分だったらどの人の曲が一番、懐かしくて素敵な記憶を呼び覚ましてくれるんだろう…?」とわたしもつい想像しました。

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