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著…美輪明宏『世なおしトークあれこれ』
よく「美輪さんはいつも独特のスタイルをしていますね」と言われます。それは、私自身がブランドだからです。ですから、世に言うブランド品と呼ばれるものなど必要としていないのです。むしろ邪魔です。
と、ピシッと言い切る美輪さん。
素敵!
「私自身がブランド」という言葉にここまで説得力のある方はなかなかいないでしょう。
美輪さんは更に、
もし私がデザインや材質や縫製などで、たまたまデザイナーズブランドの服やバッグを気に入ってしまったら、その時はブランドの名前を削除してもらい、新たに私の名前を入れてもらいます。それがオシャレというものです。
とおっしゃいます。
かっこいい!
よくInstagramなどのSNSで、例えばテーブルにスタバのカップとベンツのキーを置いて、スタバのカップを写そうとしたらたまたまベンツのキーまで写っちゃったよ、という風を装って結局はベンツを自慢する目的が見え見えの写真を載せている方がいますが、そういう方たちにこそ美輪さんのこの言葉を知って欲しいです。
本当にお洒落な人はブランドを見せびらかしません。
また、この本の中には他にもスカッとする箇所があります。
例えば、P176~182に書かれている、「電話のかけ方について」という内容。
他の人に電話をかけさせておいて、こちらが電話に出ると「今〇〇に代わりますので」と待たせた上で本人が出てくる、というのはわたし自身も仕事などで何度か経験しています。
その度に「なんでご本人が直接かけてこないんだろう? おまけに結構長く保留音が続くばかりで、だいぶ待たされるし…」と戸惑いました。
よく時代劇で、偉い人が下々の者とは直接口をきくのは汚らわしいから家臣に仲介をしてもらってやり取りをするシーンがありますよね?
もしかしたら相手はああいうつもりなのかな? と、ついモヤモヤしてしまいますよね。
もしかしたら、相手は悪気なんて無くて、物凄く忙しいから他の人に電話をかけてもらっただけなのかもしれないですが…。
交換手を通さないと電話が出来ない時代ならいざ知らず、ガラケー、スマホ、ガラホ、固定電話のどれであろうとも、自分で電話をかけるという行為に1時間も2時間もかかるわけじゃあるまいし、そんな風にされたら、電話を受ける側としては良い気分はしないですよね。
それなのに、美輪さんも同じような経験をされているのがビックリです。
あの美輪さんにわざわざ無礼を働こうという人がいるなんて!
しかも美輪さんが受けた電話の場合は、美輪さんにファッションショーに出て欲しいというお願いの電話だったそう。
劉備が諸葛亮のもとを三度訪ねて軍師になってくれるようお願いした三顧の礼のように…とまでは言わずとも、お願いごとをするならもっとやりようはあったはず。
なのに、美輪さんにファッションショー出演の依頼をしてきたそのファッションデザイナーは、秘書に電話で延々と用件を説明させてから、秘書に「では、先生に代わります」と言わせてようやくファッションデザイナー本人が受話器の向こうに登場したそうです。
美輪さんはどうしたかというと、
私はガチャンと切ってやりました。
さすが!
さすがは美輪さんです!
相手が無礼だからといって自分も無礼を働いて良いとはわたしは思いませんが、正直言って物凄くスカッとしました。
その相手には「黙れ小僧!」と一喝してやる価値すら無かったということですね。
勉強になりました。
〈こういう方におすすめ〉
粋な考え方を学びたい方。
〈読書所要時間の目安〉
1時間半前後くらい。
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