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監修…田中禎彦 写真…小野吉彦『死ぬまでに見たい洋館の最高傑作』

 東京・横浜・鎌倉・湘南エリアの洋館めぐりをしたい方におすすめの本。

 たとえば、清泉女子大学本館、旧前田侯爵邸、小笠原伯爵邸、鳩山会館、旧岩崎邸庭園、旧古河庭園、外交官の家、鎌倉文学館といった建築物の写真を見て、目の保養が出来ます。

 レリーフを施されたシャンデリア 。

 葡萄や蔦をあしらったキャノピー。

 白大理石の暖炉。

 チーク材を用いた重厚感のある扉…。

 細かいディテールに関する解説文を読むだけでもウットリ。

 日本にいながらにしてノスタルジアを感じられます。

 一般公開時期が限られているため、「行きたい!」と思ってもすぐには訪れることが難しい所もあるのですが、この本を読んでいると、自分が今まさにそこを訪れているかのような気分を味わえます。

 さて、わたしは特に鎌倉文学館が好きなので、これまでに何度か足を運びました。

 この本の、

 鎌倉文学館を訪れて最初の印象になるのは、おそらく建物までの独特なアプローチだろう。遠くからは山の中腹に輝く青い屋根瓦が見えるのだが、麓の正門までいくと建物の姿はまったく見えなくなり、園路が緩やかなカーブを描いて深い緑のなかに延びている。園路をたどって登っていくと、「招鶴洞」と記された、いかつい門番のような重々しい雰囲気の石造りのトンネルが現れる。思わず引き返したくなる気持ちを抑えてトンネルを抜けると、周囲が途端に明るくなり、芝生の庭に南面して建つ洋館の横にたどり着く。

(監修…田中禎彦 写真…小野吉彦『死ぬまでに見たい洋館の最高傑作』P134から引用)


 という記述にとても共感しました。

 まさにと唸らせる解説文です。

 あの独特の雰囲気は、鎌倉文学館ならでは。

 また、わたしもあのトンネルが幻想的で好きなのですが、進んでいく途中で、ふと怖くなり、ちょっぴり引き返したくなることがあります。

 それでも、「これからとびきり美しい異世界に足を踏み入れるぞ」という期待に胸を高鳴らせながらトンネルを抜けると、そこにはお城のような館と素晴らしいお庭があるので、「勇気を出して良かった」と毎回思うのですが。

 もしかしたら、あのトンネルが少し恐ろしくなったのは、『千と千尋の神隠し』の影響かもしれません。



 〈こういう方におすすめ〉
 東京・横浜・鎌倉・湘南エリアの洋館めぐりをしたい方。

 〈読書所要時間の目安〉
 2時間〜2時間半くらい。

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