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著…左巻健男『面白くて眠れなくなる理科』 

 わたしは「面白くて眠れなくなるシリーズ」が好きで、よく読んでいます。

 この本においては、特に胎児の成長についての記述にハッとさせられました。

「受精後二週間も経つと、胎芽は約一ミリメートルに成長します。この頃の赤ちゃんは長い尾やエラがあって、とても人間の赤ちゃんとは思えない形をしています。魚類、両生類、爬虫類、哺乳類、そしてヒトへと生物進化の過程を一気にたどり、妊娠七週頃には人間の赤ちゃんの姿へと成長します」
(単行本版 P52〜53から引用)

 確かに、たった1つの受精卵から卵割を繰り返して、100個以上の細胞の集まり(胎芽)となり、やがて胎児へと成長していく過程で、他の生き物たちとも特徴が共通する形に変化していきますよね。

 なんだか鳥肌が立ちます。

 何万年どころではない生命の進化の歴史を、そんな短期間に…!

 母親が「次はこうなって、ああなって…」と胎児の成長イメージを頭の中で具体的に描かなくても、母親の胎内で猛スピードで変化していくわけですよね。

 まるで何かに導かれるかのように…。

 それを怖いと思うべきか。

 それとも感動的と思うべきか。

 言葉ではうまく言い表せない感覚に圧倒されます。

 自分自身も、同僚たちや友人たちも、道ですれ違うだけの名も知らぬ人々も、みんなそうやって生まれてきたんですよね…。

 命って奇跡だ…。

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