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著…枡野浩一『くじけな』
奇妙なタイトルの本ですよね。
なぜ語尾に「い」「いで」「るな」といった言葉が続かないのだろう? と。
「くじけな」だと、まるでくじけても良いみたい。
でも、よく考えてみると、くじけたって良いんですよね。
心をギュッと押し潰してしまうような辛いことって、世の中には沢山ありますから…。
それに、前向きな言葉は時として何の悪気もなく、人を苦しめてしまうこともあります。
数文字を引き算した言葉が優しく寄り添ってくれることもあるのかもしれません。
これは、そんな気づきをくれる詩集です。
⭐️単行本版
『君は一人じゃな』『大切なことはすべて君が教えてくれ』『いやされま』といったタイトルの作品が、ふんわりと、けれども心に刺さります。
わたしは特に『夢をあきらめな』と題された作品が好きです。
この本の中で異彩を放つ厳しい内容ではあるのですが、
夢をあきらめな
あきらめるなと言われ
あきらめられる夢なら
田舎に帰れと言われ
帰れる田舎があるなら
AとBがあり
迷い
一歩も踏み出せないなら
AにもBにもCにもDにも夢はない
なくなってしまうような夢なら
というメッセージにハッとさせられました…。
一歩を踏み出せる人と、一歩も踏み出せない人。
その大きな差に気づかされます。
〈こういう方におすすめ〉
心に刺さる詩集をお探しの方。
〈読書所要時間の目安〉
30分〜1時間くらい。
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