見出し画像

著…枡野浩一『くじけな』

 奇妙なタイトルの本ですよね。

 なぜ語尾に「い」「いで」「るな」といった言葉が続かないのだろう? と。

 「くじけな」だと、まるでくじけても良いみたい。

 でも、よく考えてみると、くじけたって良いんですよね。

 心をギュッと押し潰してしまうような辛いことって、世の中には沢山ありますから…。

 それに、前向きな言葉は時として何の悪気もなく、人を苦しめてしまうこともあります。

 数文字を引き算した言葉が優しく寄り添ってくれることもあるのかもしれません。

 これは、そんな気づきをくれる詩集です。


 ⭐️単行本版


 『君は一人じゃな』『大切なことはすべて君が教えてくれ』『いやされま』といったタイトルの作品が、ふんわりと、けれども心に刺さります。

 わたしは特に『夢をあきらめな』と題された作品が好きです。

 この本の中で異彩を放つ厳しい内容ではあるのですが、

 夢をあきらめな
 あきらめるなと言われ
 あきらめられる夢なら
 田舎に帰れと言われ
 帰れる田舎があるなら
 AとBがあり
 迷い
 一歩も踏み出せないなら
 AにもBにもCにもDにも夢はない
 なくなってしまうような夢なら

(著…枡野浩一『くじけな』P8から引用)

 というメッセージにハッとさせられました…。

 一歩を踏み出せる人と、一歩も踏み出せない人。

 その大きな差に気づかされます。



 〈こういう方におすすめ〉
 心に刺さる詩集をお探しの方。

 〈読書所要時間の目安〉
 30分〜1時間くらい。

いいなと思ったら応援しよう!

G-dark/本好きの頭の中
いつもスキ・フォロー・コメント・サポートをありがとうございます😄 とても嬉しくて、記事投稿の励みになっています✨ 皆さまから頂いた貴重なサポートは、本の購入費用に充てさせていただいています📖

この記事が参加している募集