文…石井睦美　絵…くらはしれい『王さまのお菓子』

　美しい焼き菓子「ガレット・デ・ロワ」をモチーフにした、とても可愛らしい絵本。

　⭐️Kindle版

王さまのお菓子

　⭐️単行本版

王さまのお菓子

　※注意
　以下の文は、結末までは明かしませんが、ネタバレを含みます。

　「ガレット・デ・ロワ」の中には「フェーヴ」と呼ばれる小さな物を入れます。

　人形、置物、アーモンドなどなど…。

　お菓子を切り分けた時に、フェーヴが入っている部分が当たった人は、王冠を被ります。

　そしてその人には幸運がやってくるのだそう。

　この絵本の場合、ミリーという名前の愛らしいお人形がフェーヴとしてお菓子の中に入れられました。

　わたしは、その時にパティシエのブランさんがミリーに言った、

　「さあ、いっておいで。きみは　だれを　しあわせにするんだろうねえ」

（文…石井睦美　絵…くらはしれい『王さまのお菓子』から引用）

　という言葉がとても好きです。

　もし、誰かが生まれる時、神様がこんな風に一人ひとりに声をかけてくれたなら、きっと素敵だろうなと思います。

　さあ、いっておいで、幸せになっていらっしゃい、そして誰かを幸せにしていらっしゃい、って…。

　〈こういう方におすすめ〉
　お菓子やお人形を描いた可愛らしい絵本をおさがしの方。

　〈読書所要時間の目安〉
　１５分〜２０分くらい。