著…北原照久『北原照久の箱絵図鑑』
明治初期〜昭和に販売された日本製のブリキのおもちゃの箱の絵をまとめた本。
おもちゃの変化を通して、社会の変化も伝わってきます。
大正初期のパッケージデザインはあまり子どもに媚びない…というか渋くて日本的なデザインが多め。
時代が進むにつれて、おもちゃ本体も軍国主義の気配が強くなり、物資不足でブリキが使えず木や紙が使われています。
アメリカ占領下以降は、おもちゃのパッケージデザインの柄や色づかいにアメリカ的なデザインが多くなり、どんどんポップになっていきます。
やがて、
●「鉄腕アトム」「鉄人28号」といったキャラクターのおもちゃ(漫画の影響?)
●宇宙船(アポロ計画の影響?)
●ロボットやカウボーイ(テレビや映画の影響?)
などなど、多種多様なおもちゃが作られるようになります。
そしてブリキのおもちゃからプラスチックのおもちゃへと世代交代が成されていきます。
この本を読んでいると、まるで博物館へ行って展示物と解説を読んでいるかのような気分になります。
横向きに文字が印刷されている場合は右から文字を読む…というのが今見ると新鮮ですし、現代では滅多にお目にかかれないお洒落なクラシックカーを描いたデザインが多いのも素敵!
こうして古いおもちゃの箱が残っていたことに「よく今まで残っていたなあ」と驚かされますが、こんなに素敵な箱だからこそ捨てずに取っていた方が居たことにも、それをコレクションしようと思う方がいることにも納得です。
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