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Photo by
shunsukeishigaki
構成・絵…マイケル・デュドク・ドゥ・ヴィット 詩…谷川俊太郎『あのひと』
ある男性が静かで寂しげな世界をさまよっています。
たったひとりで。
これは、彼の心が揺らぐさまや自然のうつろいを繊細に描いた詩集絵本。
きっとこの世界は彼の心象風景なのでしょう。
きのうからきて あすへいく
ときをあゆんで 私はひとり
いのちのままに いきている
あったことのない あのひとをまって
という一節にわたしは惹かれました。
そして、彼が「あのひと」をさがす姿にも。
もしかしたら、「あのひと」もまた、彼をさがしているのかもしれません。
彼の世界と、「あのひと」の世界。
わたしはいつかその2つの世界が出会い、「あのひと」が「このひと」に変わる瞬間がやってくるのを祈りながらこの本を読みました。
どうか、この記事を読んでくださったあなたも、さがしている誰かと出会えますように。
〈こういう方におすすめ〉
心を打つ詩集絵本をおさがしの方。
〈読書所要時間の目安〉
20分くらい。
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