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音楽

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好きすぎて感想をまとめきれない音楽について。
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#音楽

女王蜂『Q』

女王蜂『Q』

 という静かな悲鳴が心を抉る曲。

 わずか4分弱の曲なのに、まるで長い長い映画のよう…。

 きっとそれは、子どもは生まれる家庭を選べないし、はじめは幸せに育っていたとしてもその幸福がずっと続くかどうかは分からないというストーリーの映画。

 途中から吐き気を催して席を立ちたくなっても、縛り付けられたように動けず、泣きながらスクリーンを凝視し続ける観客が多そう…。

 ⭐️MP3

 ⭐️MV

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甘い暴力『子どものように』

甘い暴力『子どものように』

 もしも、子どものようにしがみつけたなら。

 もしも、子どものように泣けたなら。

 もしも、子どものように夢を見られたなら。

 あの時、何かが変わっていたのかな…。

 …と考えては、何度も心をかき乱される。

 そんな悲しい恋を歌った曲。

 等身大の歌詞が胸に響きます。

 恋がいつしか思い出へと変わってしまい、その思い出すらもだんだん色褪せていくけれど、絶対に忘れたくない…という辛い心

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Ichika Nito『Metaphor feat.Feryquitous』

Ichika Nito『Metaphor feat.Feryquitous』

 イントロを聴いただけで、聴き手を一気に非日常の世界へと誘ってくれる曲。

 わたしはYouTubeのおすすめ機能でこの曲と出会いました。

 残念ながら、このMVに元ネタがあるのかどうかさえ全く存じ上げないのですが、すっかりこの曲の虜です。

 SFと言うべきか、ファンタジーと言うべきか…、この透明な疾走感がたまりません。

 わたしはこの曲を聴く度、まるで自分がいつの間にかロボットになってしま

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lynch.『MIRRORS』

lynch.『MIRRORS』

 一言で「恋」と言っても、きっと色んな種類がありますよね。

 誰からも祝福されるようなものと、そうでないものと…。

 きっとこれは後者を歌った曲。

 目を閉じてこの曲を聴いていると、手を繋いで駆け落ちする恋人たちの姿が心に浮かんできます。

 きっとこのふたりは、太陽どころか月や星の光からも逃れなければならない関係。

 それでも走り出してしまったのでしょう。

 行き先も分からぬまま。

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キズ 日本武道館 単独公演「焔」 ライブレポ後編

キズ 日本武道館 単独公演「焔」 ライブレポ後編

 ↑ライブレポ前編はこちら

 日本武道館の中に入ってみると…、さ、さ、さ、寒い!

 しかし、ライブ前特有の高揚感があるので、寒くてもへっちゃら✨

 hideさんの曲も流れていて、気分が上がります⤴️

 ちなみにわたしの席はスタンド2階でしたが、そこからでもステージがはっきり見えました。

 ステージには光り輝くグリーンのマイクスタンドがありました。

 まるでライトセーバーみたい✨

 来

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キズ『傷痕』

キズ『傷痕』

 怪我をしたことのない人はいません。

 誰もが多かれ少なかれ、傷痕を抱えています。

 体にも、心にも。

 それを無理やり無かったものにしてしまおうとか、「かわいそうに」と同情するとか、「あなたが何かミスをしたから怪我をしたんでしょう」と責めるわけでもなく、ましてや同じ傷痕の者同士だけを仲間と呼んで馴れ合うのでもなくて、それぞれ違った傷痕を持つみんながそっと寄り添うようにして生きていく。

 

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MUCC『ココロノナイマチ』

MUCC『ココロノナイマチ』

 昔から数えきれないくらい聴き続けてきた大好きな曲です。

 歌詞を見なくても口ずさむことが出来ます。

 なのに、MUCCの逹瑯さんとキズの来夢さんがコラボした『ココロノナイマチ』を聴いた瞬間…。

 超カッコいい新曲を初めて聴いたかのような感覚になりました!

 まるで、昔本気で恋した人と数十年ぶりに再会して、「こういう魅力的な一面もあるんだ」と惚れ直した瞬間のよう…。

 腹を割った対話を重

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キタニタツヤ『私が明日死ぬなら』

キタニタツヤ『私が明日死ぬなら』

 こんな寒い夜は、ふっと寂しくなるから。

 こんな年末年始は、孤独が募るから。

 優しい歌にそっと寄り添って欲しくなりますよね。

 呟くような、囁くような、ぬくもりのある歌詞。

 それを、まるで一緒に泣いてくれているかのような声で歌い上げる。

 とても好きな曲です。

 ひとりで震えている人に届いて欲しい。

キズ『息のできる死骸』

キズ『息のできる死骸』

 「生きている」という手ごたえがどこにもない。

 ただ「死んでいない」というだけ。

 これで「生きている」と言えるのか、分からない。

 それでも、暗闇を手探りで進むようにして、泥を這うようにして、見苦しくてもなお、生きていく…。

 そんな情景が心に浮かぶ曲。

 という言葉が意味深過ぎて、目眩がします。

 「あの子」はもう死んでしまったのでしょうか?

 その生前の姿が「僕」には、

lynch.『THIS COMA』

lynch.『THIS COMA』

 夢の中でしか逢えない。

 心の中には、いつだっているのに。

 目を開くと、そこに「あなた」はいない。

 だから、再会を願って「わたし」は眠りにつく。

 夢の中でずっと「あなた」をさがしている。

 微笑んでいる「あなた」を。

 …これは、そんな心情をしっとりと歌い上げた曲。

 「もしかしたら自分はこの曲を聴いている夢を見ているのだろうか?」と錯覚してしまいそうな浮遊感もあって、心地よ

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キズ『地獄』

キズ『地獄』

 天と地を切り裂く絶叫のような曲。

 生きることは苦しいです。

 きっと死ぬことも苦しいです。

 覚えてはいないけれど、多分、生まれる時も苦しかったです。

 この世こそが地獄。

 それなのに人はなぜこの地獄で生きるのでしょうか?

 人ひとりが成せることは限られているのに。

 どんなに心の底から望むものがあっても、たいてい手に入らないのに。

 死んだことにすら誰にも気づいてもらえない

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Raphael『秋風の狂詩曲』

Raphael『秋風の狂詩曲』

 わたしがこの曲と出逢ったのは、2000年の秋。

 初めてこの曲を聴いた時、わたしの心の中にこんな情景が浮かびました。

 セピア色に染まった並木道のベンチに、ある日、ひとりの女性が腰掛けます。

 彼女はバッグから一冊の詩集を取り出します。

 たぶん、それはハイネの詩集。

 彼女はここに通ううちに、何度も詩集を読んだので、実はもうすっかり内容を覚えてしまっています。

 けれど、今日もまた

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Raphaelは永遠に。

Raphaelは永遠に。

 わたしと相互フォローしてくださっているSachiさんが11月28日に新宿HEISTでライブをするそうです。

 こういう時にパッと都内まで行けないのが地方民の辛いところ…。

 行ける方たち、どうか楽しんで来てください。

 しかも今回演奏するのは、Raphaelの名曲たちだそうです!

 いいなあ。

 きっと天国にいる華月くんも喜ぶことでしょう。

 Raphaelのいちファンとしても嬉しい

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女王蜂『メフィスト』

女王蜂『メフィスト』

 愛憎と、恍惚と、執着と、失望と…。

 生々しい感情たちを孕んで限界まで膨れ上がった、数えきれぬ人間たちの視線。

 それらが激しくぶつかり合いながら、ステージの上のたった一人にのみ注がれる…。

 そんな不気味な様相を呈す曲です。

 MVはかっこいいけれど恐ろしいです。

 みんなに囲まれているにもかかわらず、とても孤独だから。

 THE FIRST TAKEからは、自分は腹を括って「見ら

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