本読むネズミ

話題の本、名作と呼ばれている本、私たちが気になっている本を、作曲家の高橋宏治、文化史研究者の田口仁の二人が、それぞれの視点から語り尽くすニッチでクールな読書podcastです。

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話題の本、名作と呼ばれている本、私たちが気になっている本を、作曲家の高橋宏治、文化史研究者の田口仁の二人が、それぞれの視点から語り尽くすニッチでクールな読書podcastです。

最近の記事

#12『意味がなければスイングはない』村上春樹 ~シューベルトのピアノソナタは穴だらけ?~

【紹介書籍】『意味がなければスイングはない』より “シューベルト「ピアノソナタ第十七番ニ長調」D850――ソフトな混沌の今日性” 村上春樹(著) 待望の、著者初の本格的音楽エッセイ。シューベルトのピアノ・ソナタからジャズの巨星スタン・ゲッツの“闇の二年間”、ブルース・スプリングスティーン、Jポップのスガシカオまで、すべての音楽シーンから選りすぐった十一人の名曲がじっくりと、磨き抜かれた達意の文章で、しかもあふれるばかりの愛情をもって語り尽くされる。(文春文庫より) 【番組

    • #11『夢奇譚』A・シュニッツラー〜夫婦が今すぐしないといけないこと〜

      【紹介書籍】『夢奇譚』 アルトゥル・シュニッツラー(著) 池田香代子(訳) 平穏で円満な家庭生活に恵まれた医師フリードリーンだったが、春の息吹が感じられるある夜、ふとしたことから、秘密のパーティーに潜入する。そこで言葉を交わした女性に強く惹かれるが……。夢と現実の間に描かれる性的妄執の世界。『夢判断』のフロイトに「わが精神のドッペルゲンガー」と言わせた作家シュニッツラーの問題作。(文春文庫より) 【番組概要】 話題の本、名作と呼ばれている本、私たちが気になっている本を

      • #10『異常【アノマリー】』 エルヴェ・ル・テリエ 〜自分がもう一人いたらどうする?〜

        【紹介書籍】『異常【アノマリー】』 エルヴェ・ル・テリエ(著) 加藤 かおり(訳)  ゴンクール賞受賞、異例の110万部突破! NYに向けて降下する航空機を襲った異変。世界中に不安が広がるなか、搭乗者たちの決断は―― 殺し屋、ポップスター、売れない作家、軍人の妻、がんを告知された男……なんのつながりもない人びとが、ある飛行機に同乗したことで、運命を共にする。飛行機は未曾有の巨大乱気流に遭遇し、乗客は奇跡的に生還したかに見えたが――。ゴンクール賞受賞作 (早川書房サイト

        • #09『エーコとサッカー』 ピーター・P.トリフォナス 〜W杯の盛り上がりに水を差してみる!〜

          【紹介書籍】『エーコとサッカー』 ピーター・P.トリフォナス (著) 富山太佳夫 (訳)  今福龍太 (解説) なぜサッカーはあれほどまでに観衆を熱狂へと駆り立てるのか。サッカーは単なるゲームではない。生活世界の多様な意味をそこに読み取らせる文化の記号体系であり、その背後には文化産業たるメディアの介在があるのだ。記号学者エーコが文化現象としてのサッカーとサッカーをめぐる言説の解読に挑む。 (岩波書店サイトより) 【番組概要】 話題の本、名作と呼ばれている本、私たちが気

        • #12『意味がなければスイングはない』村上春樹 ~シューベルトのピアノソナタは穴だらけ?~

        • #11『夢奇譚』A・シュニッツラー〜夫婦が今すぐしないといけないこと〜

        • #10『異常【アノマリー】』 エルヴェ・ル・テリエ 〜自分がもう一人いたらどうする?〜

        • #09『エーコとサッカー』 ピーター・P.トリフォナス 〜W杯の盛り上がりに水を差してみる!〜

          #08『JR上野駅公園口』柳美里〜東京藝大卒業生が語る上野公園〜

          【紹介書籍】『JR上野駅公園口』 柳 美里(著) 一九三三年、私は「天皇」と同じ日に生まれた――東京オリンピックの前年、出稼ぎのため上野駅に降り立った男の壮絶な生涯を通じ描かれる、日本の光と闇……居場所を失くしたすべての人へ贈る物語。 【全米図書賞・翻訳文学部門 受賞作】 (河出書房新社サイトより) 【番組概要】 話題の本、名作と呼ばれている本、私たちが気になっている本を、作曲家の高橋宏治、文化史研究者の田口仁の二人が、それぞれの視点から語り尽くすニッチでクールな読書

          #08『JR上野駅公園口』柳美里〜東京藝大卒業生が語る上野公園〜

          #07『ホワイト・ノイズ』ドン・デリーロ〜“死”への恐怖は贅沢な悩み?〜

          【紹介書籍】『ホワイトノイズ』 ドン・デリーロ(著)都甲幸治・日吉信貴(訳) 知れば知るほど、死は育っていく。 甚大な空中汚染事故、消費社会の猛威、情報メディアの氾濫、オカルトの蔓延、謎の新薬〈ダイラー〉の魔手、いびつな家族関係、愛の失墜、そして、来るべき《死》に対する底なしの恐怖……。 日常を引き裂くこの混沌を、不安を、哀切を、はたして人々は乗り越えられるのか? 現代アメリカ文学の鬼才ドン・デリーロの代表作にして問題作、そして今なお人間の実存を穿つポストモダン文学随一の傑

          #07『ホワイト・ノイズ』ドン・デリーロ〜“死”への恐怖は贅沢な悩み?〜

          #06『セヴンティーン』大江健三郎 〜《右》という鎧を身につけモリモリ強くなる〜

          【紹介書籍】『セヴンティーン』 大江健三郎(著) 『セヴンティーン』は、大江健三郎の中編小説。1961年1月に「文學界」に掲載され、1963年6月に新潮社から中・短篇集『性的人間』に収録されて刊行された。 浅沼稲次郎暗殺事件の犯人、山口二矢をモデルにしているとされる。(Wikipedia) 【番組概要】 話題の本、名作と呼ばれている本、私たちが気になっている本を、作曲家の高橋宏治、文化史研究者の田口仁の二人が、それぞれの視点から語り尽くすニッチでクールな読書podcast

          #06『セヴンティーン』大江健三郎 〜《右》という鎧を身につけモリモリ強くなる〜

          #05『理不尽ゲーム』サーシャ・フィリペンコ 〜独裁政権下の”クソゲー”的エピソード〜

          【紹介書籍】『理不尽ゲーム』 サーシャ・フィリペンコ (Sasha Filipenko)(著) 奈倉有里(訳) 群集事故によって昏睡状態に陥った高校生ツィスク。老いた祖母だけがその回復を信じ、病室で永遠のような時を過ごす一方、隣の大国に依存していた国家は、民が慕ったはずの大統領の手によって、少しずつ病んでいく。 10年後の2009年、奇跡的に目覚めたツィスクが見たものは、ひとりの大統領にすべてを掌握された祖国、そして理不尽な状況に疑問をもつことも許されぬ人々の姿だった。 時

          #05『理不尽ゲーム』サーシャ・フィリペンコ 〜独裁政権下の”クソゲー”的エピソード〜

          #04『バグダードのフランケンシュタイン』アフマド・サアダーウィー 〜恐怖と不信がつなぎ合わされ出来た怪物〜

          【紹介書籍】 『バグダードのフランケンシュタイン』 アフマド・サアダーウィー(著)・柳谷 あゆみ(訳) 【30ヵ国で版権が取得された中東×ディストピア×SF小説!】 連日自爆テロの続く2005年のバグダード。古物商ハーディーは町で拾ってきた遺体のパーツを縫い繋ぎ、一人分の遺体を作り上げた。 しかし翌朝遺体は忽然と消え、代わりに奇怪な殺人事件が次々と起こるようになる。そして恐怖に慄くハーディーのもとへ、ある夜「彼」が現れた。自らの創造主を殺しに―― 不安と諦念、裏切りと奸計

          #04『バグダードのフランケンシュタイン』アフマド・サアダーウィー 〜恐怖と不信がつなぎ合わされ出来た怪物〜

          #03『シティポップとは何か』〜シティポップと小室哲哉〜

          【紹介書籍】 『シティポップとはなにか』 柴崎祐二(編著) 国内外で空前のブームに湧くシティポップ。それはどんな音楽/文化現象なのか? リバイバルの理由は? 隠れ潜む問題とは? 充実のゲスト寄稿も交え、あらゆる角度から紐解く決定版論考! 【番組概要】 話題の本、名作と呼ばれている本、私たちが気になっている本を、作曲家の高橋宏治、文化史研究者の田口仁の二人が、それぞれの視点から語り尽くすニッチでクールな読書podcastです。 【Podcastの中で登場する作品】

          #03『シティポップとは何か』〜シティポップと小室哲哉〜

          #02 『オルフェオ』リチャード・パワーズ 〜現代音楽作曲家は幸福?〜

          【紹介書籍】 『オルフェオ』 リチャード・パワーズ(著)・木原善彦(訳) 微生物の遺伝子に音楽を組み込もうと試みる現代芸術家のもとに、捜査官がやってくる。容疑はバイオテロ?逃避行の途上、かつての家族や盟友と再会した彼の中に、今こそ発表すべき新しい作品の形が見えてくる―。一人の音楽家の半生の物語は、マーラーからメシアンを経てケージ、ライヒに至る音楽の歩みと重なり合いながら、テロに翻弄される現代社会の姿をも浮き彫りにしていく。危険で美しい音楽小説。 【番組概要】 話題の本

          #02 『オルフェオ』リチャード・パワーズ 〜現代音楽作曲家は幸福?〜

          #01 『素粒子』ミシェル・ウエルベック~先行時代の残り滓の中で生きる~

          【紹介書籍】 『素粒子』 ミシェル・ウエルベック(著)・野崎歓(訳) フランス文壇を揺るがす事件といわれた問題作。 人類の孤独の極北にゆらめく絶望的な愛――二人の異父兄弟の人生をたどり、希薄で怠惰な現代の一面を描き上げた、鬼才ウエルベックの衝撃作。 【番組概要】 話題の本、名作と呼ばれている本、私たちが気になっている本を、作曲家の高橋宏治、文化史研究者の田口仁の二人が、それぞれの視点から語り尽くすニッチでクールな読書podcastです。 【Podcastの中で登場す

          #01 『素粒子』ミシェル・ウエルベック~先行時代の残り滓の中で生きる~