#05『理不尽ゲーム』サーシャ・フィリペンコ 〜独裁政権下の”クソゲー”的エピソード〜
【紹介書籍】
『理不尽ゲーム』
サーシャ・フィリペンコ (Sasha Filipenko)(著)
奈倉有里(訳)
群集事故によって昏睡状態に陥った高校生ツィスク。老いた祖母だけがその回復を信じ、病室で永遠のような時を過ごす一方、隣の大国に依存していた国家は、民が慕ったはずの大統領の手によって、少しずつ病んでいく。
10年後の2009年、奇跡的に目覚めたツィスクが見たものは、ひとりの大統領にすべてを掌握された祖国、そして理不尽な状況に疑問をもつことも許されぬ人々の姿だった。
時間制限付きのWi-Fi。嘘を吐く国営放送。生活の困窮による、女性の愛人ビジネス。荒唐無稽な大統領令と「理不尽ゲーム」。ジャーナリストの不審死。5年ごとの大統領選では、現職が異常な高得票率で再選される……。
緊迫の続く、現在のベラルーシの姿へとつながる物語。
(集英社サイトより)
【番組概要】
話題の本、名作と呼ばれている本、私たちが気になっている本を、作曲家の高橋宏治、文化史研究者の田口仁の二人が、それぞれの視点から語り尽くすニッチでクールな読書podcastです。
【Podcastの中で登場する作品】
ベラルーシを知るための50章 服部倫卓・越野剛 (編著)
『国葬』セルゲイ・ロズニツァ(監督)
『ショスタコーヴィチ自伝 時代と自身を語る』レフ・グリゴーリエフ, ヤーコフ・プラテーク 編 ; ラドガ出版所 訳
『ショスタコーヴィチの証言』ソロモン・ヴォルコフ(編集)
『シニアイヤー』アレックス・ハードキャッスル(監督)
『ニンゲン合格』黒沢清(監督)
『時代革命』キウィ・チョウ(監督)
【語り手】
12歳より独学で作曲を始め、東京藝術大学音楽学部作曲科卒業、同大学院修士課程修了。2013年度デンマーク政府給費奨学生としてデンマーク王立音楽院でハンス・アブラハムセン氏に師事し、同音楽院修士課程修了。2020年9月室内オペラ《Admist dust and fractured voices》が、ベルギー(ヘント、ブリュッセル)にて初演、2021年7月に、《PLAT HOME》と改題し、新演出による日本初演版を企画し好評を博す。
HP: https://www.kojitakahashi.net
Twitter:https://twitter.com/kojitaka1033
田口仁(文化史研究者)
文化史研究者。東京藝術大学美術学部芸術学科卒業。東京大学大学院総合文化研究科修士課程修了。
同大学院博士課程在学中。河合塾美術研究所芸術学コース主任講師。専門は芸術理論史、映画史、都市論。
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