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呼吸療法認定士

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2019年9月の記事一覧

10.酸素療法

呼吸不全と低酸素血症の病態生理
・健常人では酸素需要より酸素供給が上回っている
・呼吸不全の多くの原因は酸素運搬量の低下である。
・酸素運搬量=動脈血酸素含量×心拍出量
・心拍出量低下では心不全
・CaO2(動脈血酸素含量)は溶存酸素とHb結合酸素の総和
・CaO2=1.34×Hb×SaO2/100+0.003×PaO2
・1gのHb に1.34mlの酸素が結合
・酸素Hb結合率がSaO2
・Pa

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9.吸入療法

吸入療法は正しい手技で吸入して初めて、効果が期待できる。

吸入療法の基礎

エアゾル粒子のサイズと沈着部位
・大きすぎると上気道へ、小さすぎると肺胞に沈着し呼気とともに外気へ排出されてしまう
・1〜5μm程度が望ましい

エアゾル粒子の沈着
・口から吸入したエアゾル粒子は、衝突、重力、拡散によって気道へ沈着する。

①衝突
・気道内の気流の方向は咽頭後壁や気管、気管分岐部などで旧げに変化する

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4.血液ガスの解釈

血液ガスとは
・血液ガスのPO2が100Torrという状態は、100TorrのO2を含むガスと平衡している状態と等価。この時の気相の分圧は液相分圧と等しい。

O2およびCO2の血液での存在形式
①O2
・血液中に存在しているO2の含量の内訳はほとんどがヘモグロビンと結合し、溶存しているのがわずかである。
・酸素解離曲線はPCO2、pH、温度によって変化。
・Hb 1gに1.34mlの酸素と結合。

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5.呼吸機能とその検査法

呼吸生理の基礎とその検査法

①はじめに
・肺機能検査は肺における酸素摂取と二酸化炭素排出の効率を調べる。
・外界との空気の出し入れ(換気機能)、肺胞内でのガスの移動(ガス交換能)、換気と循環の相関(換気血流比)など

・スパイロメトリー(フローボリューム曲線)、肺気量分画の検査で換気能を調べる。
・換気血流比不均等分布は健常でもあるが、病的では増加する。N2単一呼出曲線検査で調べる。
・コンプ

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6.呼吸不全の病態と管理

呼吸不全の概念と病態
呼吸不全:PaO2、PaCo2が異常であるため生体が正常な機能を営めない

診断:
①室内吸入時PaO2<60Torr
②Ⅰ型:PaCo2<45Torr、Ⅱ型:PaCo2≧45Torr

分類
①急性呼吸不全
a)急性呼吸促迫症候群(acute respiratory distress syndrome.ARDS)
b)呼吸中枢の急性障害や呼吸筋麻痺
ポリオ、ギランバレー症候

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7.薬物療法

はじめに
・重症呼吸器疾患の治療、呼吸管理において患者の呼吸循環動態や代謝機能が投与される薬剤に依存
・薬剤の生理活性、作用機序、適応と臨床効果、投与方法、副作用に十分な知識と深い理解が必要

気管支拡張薬
・気道平滑筋を拡張させて気管支攣縮を改善させる薬剤の総称
・作用機序によってβ2刺激薬、テオフィリン、抗コリン薬の3種類に分けられる。
・気管支喘息、COPDなどの気道閉塞疾患の治療に使われる

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