「チャリングクロス街84番地」本のネタが名作映画になった例
日本の古書店街といえば神保町。
かたやイギリスロンドンの古書店街といえば、チャリングクロスst.である。
海外旅行を夢に見ていた子供の頃、ガイドブックか何かでみつけたこの町に恋い焦がれていた記憶が、ふと最近蘇った。
当時中学生だったか高校生だった自分には、当時の生活圏でできることと言えば、本で情報を得るくらいだった。ネットもまだまだ始まったばかりだった・・・(年がバレる汗)
そんな中みつけたのが、映画「チャリングクロス街84番地」のビデオ。
当時TSUTAYAがレンタル事業をやっていた頃で、しかもDVDでもなくビデオw
即レンタルして若き日のアンソニー・ホプキンス(これも自分的に心惹かれたポイント)主演の映画から、まだ見ぬチャリングクロス街をバーチャル体験を試みたのだ。
今でもDVD購入が可能なのと、Amazonプライムで見られるようなので、気になる方はぜひ。
この記事を書くのに調べてみたら1980年代後半の製作。
出演者もいぶし銀の豪華さだ。
アンソニー・ホプキンズ
アン・バンクロフト
ジュディ・デンチ
ストーリーはというと、正直ドラマチックな展開も、胸キュンラブストーリーも存在しない。ただただ、本を巡る海を越えた人との交流の話だ。
実はこれ、架空の物語ではない。
同名の米国人シナリオライターのヘレンのエッセイが元ネタになっている。
端的にまとめてしまえば、2人の男女が恋愛感情とか抜きにして、ひたすら本の話で文通をしているだけの話だ。
だけどそこに互いの人生がにじみ出る。
本の話をしているだけなのに、これだけ「魅せる」映画というのも珍しい。考えてみれば動く映像と音声を持つ映画と、文字の羅列だけの本とでは正反対の媒体だというのに。
先述のキャストでもわかるとおり、こういう類いの映画は上手い役者じゃないと、ただの退屈な駄作か、お涙ちょうだい的あざとさが目立つ作品に成り下がる。
初めてこの映画を見てからもう数十年経ってしまい、私もこの映画の人物達と年齢が近くなった。またこの映画を見てみようか、本を読んでみようかと思案中。
大人になった今、当時の自分とはまた違う何かを感じるのかもしれない。