吾輩は詩人である
これはいけない、最近、
自分が詩人であることを忘れていた。
病院で上品な老婦人から
茨木のり子さんの本を読んでいたのを見られ
「あなたも詩人なの?」と聞かれ、
思わず「そうです」と答えて以来、
詩人になった私である*。
毎日、詩を一つ書き、すでに4年、
このnoteに公開しているにも関わらず、
なんという体たらくだろう。
noteで知った写真家の西野鷹志さんから
田村隆一氏の旅のエッセイ集、
『詩人の旅』を教えてもらい、
その本を読んでいて気付いたのである。
優れた詩人というものは
優れた散文家でもあるのか、
とても面白い酔っ払い旅日記である。
この本の「伊那」の章で田村氏は
「詩人というものは、沈黙をこよなく愛します」
などと自分のことを詩人いうわけである。
ほおーっと私は感心してしまった。
そうだ、自分だって詩人なのだから、
自分のことを「詩人」と言って、
他人と話をするべきだと思ったのだ。
そうでもしなければ
自分が詩人であることを忘れかねない。
私が思うに、詩人とは
それほど危ういものなのである。
なので、どこかしこでも「詩人」と言おう。
*「そうして僕は詩人になった」https://note.com/hon0712/n/n945115c331bb