最も好きな、プッチーニのオペラ【トスカ】連続鑑賞1回目_2018年7月2日
2018年7月2日に、最も好きな、プッチーニのオペラ、【トスカ】を観てきました!
もう、うっとりです。
前回、高熱で「フィデリオ」を見逃したので、オペラは約1.5カ月ぶり。美しい音楽と比喩、そして劇場に満ちている芸術が私の細胞を包みこんで、隅々まで浄化されました。
(幸運なことに劇場の抽選に当選し、この数日後にもS席で観劇することに! そこで席によって舞台の見え方の歴然とした違いを知り、以降は席にできるだけこだわるようになりました)
■2つの芸術が合わさり、神秘性となる
特に印象に残っているのは、
【2つの芸術が合わさり、神秘性となる】
という言葉と、
今回は悪役スカルピアの背が高く、背筋がビシッと伸びていたため、まるで黒ひょうやジャッカルのように見えたこと。彼の周囲には常に緊張感が漂い、怖かった。
誤解を恐れずに言えば、私にはオペラの中で性格が好きではない主要キャラクターが3人ほどいます。その中の1人がトスカでした。
私は普段から物事を極力肯定的に見るようにしているのですが、それでも。また、「トスカ」というオペラが最も好きであるにも関わらず。
でも、「トスカは大人っぽく描かれることが多いが、彼女の年齢は18~20歳。人間の悪意にそれほどさらされていない、ピュアな女性だ」と知った上でトスカを見ると、くだらない上にしつこくてやかましいトスカの嫉妬が、まあ無理もないと許せました。
何より、数々のアリアが素晴らしい!
やっぱり、予習すればするほど、オペラは面白いです。神様、アリアとう!
■今回、意識して見た4点
(以前、NHKの「らららクラシック」というTV番組で教わりました)
なので、上のアリアで、絶望的な局面にあるトスカが神に問うときも、
「私は歌に生き、愛に生き、これまで何も悪いことをしませんでした。それなのに、どうしてこのような目に遭うのですか?」
と、神に対して決して恨みがましく歌わず、素直に神の子どもの立場で、「なぜですか?」と問うている。
■あらすじ
政情不安に揺れるローマが舞台。敬虔ぶった好色家の鬼畜、警視総監のスカルピアが、根拠のないヤキモチのために冷静さを全く欠いている歌姫トスカを操って、トスカの恋人である画家と、画家が逃亡を手伝っている政治犯の潜伏場を突き止める。2人を捕獲の上、死刑を命ずる。
恋人の命を盾にトスカを手籠めにしようと迫るスカルピアの魔手に、トスカは犠牲になどならず、交換条件として提示した「通行証」を書かせる。書かせたら、用済みだとばかりに、ナイフでめった刺しに殺して逃げて行く。もう自由の身なのだ。しかし運命は皮肉なもので、恋人もトスカも絶望の淵で命を落とすこととなる。
■スタッフ・キャスト
<スタッフ>
指 揮:ロレンツォ・ヴィオッティ
演 出:アントネッロ・マダウ=ディアツ
美 術:川口直次
衣 裳:ピエール・ルチアーノ・カヴァッロッティ
照 明:奥畑康夫
再演演出:田口道子
舞台監督:斉藤美穂
<キャスト>
【トスカ】キャサリン・ネーグルスタッド (7月15日は小林厚子)
【カヴァラドッシ】ホルヘ・デ・レオン
【スカルピア】クラウディオ・スグーラ
【アンジェロッティ】久保田真澄
【スポレッタ】今尾 滋
【シャルローネ】大塚博章
【堂守】志村文彦
【看守】秋本 健
【羊飼い】前川依子
【合唱指揮】三澤洋史
【合 唱】新国立劇場合唱団
びわ湖ホール声楽アンサンブル児童合唱TOKYO FM少年合唱団管弦楽東京フィルハーモニー交響楽団