採点者から見た小論文
小論文の書き方が分からない。
中学生で初めて書くという壁にぶつかったという生徒もいました。
国語に苦手意識があるわけではなかったのに,受験を前にして初めて出会った小論文。
この書き方について考えてみましょう。
1 はじめに
小論文とは簡単に言えば,
自分の意見を説得力を持って相手に主張するための文章
です。
その過程で,根拠を明確に示したり,筋道立てて論理的な 文章を書いていくわけですが勉強しなくても国語はそこそこ得意,という生徒ほどドツボにはまります。
今から基本的な考え方を抑えておけば,高校入試には十分間に合うので夏休みの間に一本は書いてみて添削をお願いしてみましょう。
2 採点者を意識して書け
何を意識書くかというと,採点者を意識して書け,という点に尽きます。
採点者に忖度するとか,一般受けする文章を意識しなさいという訳ではありません。
どのような力を問われているのか
問われていることは何なのか
を確実に抑えなければなりません。
小論文は自分の主張を根拠を明確にして,説得力を持って相手に訴えかける文章です。
その点において,採点者を意識するということと,相手を説得するということはほとんど同義捉えても良いでしょう。
採点者を意識して,ポイントを抑える必要があります。
3 文章の型は学ぶ必要がない!?
諸時期に申し上げると採点基準についてはこれだとはっきりと一概には言えません。
見る人によって評価が異なることもあるということも実際にあります。
しかし,ある程度外せないポイントもあります。
文章に型は確定されていない,型にはまった文章は面白みがない,だから,自分が思うように書きなさい。
そんな指導をたまに見ますが,型や構成,ポイントは知っておくべきです。
型に関しては,知ったうえで幅を利かせることが出来たり,自由な文章構成が出来ます。
文章の書き方は自然と身に付けることが出来る場合も無いわけではないですか,基本的には学ぶものです。
今回は採点のポイントについて考えていきます。
4 採点のポイント
採点について,内容と形式の二つの側面から見てみましょう。
内容面
・テーマに沿っているか
・自分意見や考えがわかりやすく書かれているか。
・資料を正確に読みとれているか。
・内容に一貫性はあるか。
形式面
・制限字数を守っているか。
・原稿用紙の使い方は正しいか。
・誤字脱字はないか、送り仮名は正しいか。
・主語と述語は対応しているか。
・段落の分け方や全体の構成は適切か。
・接続詞や指示語の使い方は適切か。
・字は読みやすく書かれているか。
これらの点を採点者はチェックしています。
特に,資料を読み取ったうえで自分の考えを主張する活用問題は増えている傾向にあります。
正確に資料を読み取る力
客観的な意見と根拠を述べる力
正確で読みやすい文章を書く力
はかなり問われると考えてください。
4 おわりに
小論文の採点のポイントや書き方についてまとめました.
夏から小論文の対策をしても十分に間に合います。
さらに,受験勉強で身に付けた小論文の力は一生の財産になります。
ぜひ,文章を書く力を身に付けてください。