コロナ引きこもりによる糖尿病元年からの脱出~自粛太りピンチをダイエットチャンスに~
まえがき
2020年、年が明けて日常が始まったころその騒動は始まりました。わたしは1月下旬のとある平日に都内のある博物館を訪れました。そこにはマスクをしたものすごい大人数の中国人が観光に訪れていたのです。日本人の姿はほとんどなく90%以上が中国人、5%がその他の国の人々。
その後次々と報道される新型コロナウィルス感染症の感染拡大。瞬く間に世界中がその渦に巻き込まれていきました。
この新型コロナウィルス感染症感染拡大防止のために行われた自粛生活。正しい知識を持たずに恐怖に振り回されていては、肥満、2型糖尿病、高血圧、うつ、癌…あらゆる生活習慣病を増やします。すでに増えているのかもしれません。これでは、2020年は糖尿病元年となりかねません。
でも、気づいたときが脱出の時なのです。
新型ウィルスにより日常がどれだけ幸せで愛おしいものかに多くの方が気づいたはずですよね。ご自分の身体はご自分だけが良くも悪くもできます。糖尿病をはじめとした疾病が「ない」という状態がいかに幸せであるか、多くの方に日常が日常として続く幸せを再度思い出してほしいと願っています。
新型コロナウィルス感染症も自粛太りも糖尿病も、訪れたものはピンチではないです。アンテナの立っているあなたへのチャンスなのです。
第1章 糖尿病とは、なんなの?
(1) 糖質の代謝
糖尿病とは、栄養素のひとつ「糖質」の代謝異常です。軽度の時は「糖代謝異常」と言います。
糖質の代謝は食物を摂取後、小腸、肝臓を経てブドウ糖として全身に送られ血糖値が上昇してきます。それに反応し膵臓からインスリンというホルモンが分泌し、血糖値上昇を抑制します。高血糖は異常事態だからです。
(2)インスリン分泌過多は…
高血糖状態とならないよう働いてくれるインスリンは別名肥満ホルモンという、体脂肪増加を促すホルモンです。
このインスリン、なんと一生に分泌される限界量があります。よってインスリンを過剰かつ頻回に分泌させるような食生活は、次第に膵臓を疲弊させインスリン不足となり2型糖尿病へと進むのです。
高血糖状態は血管内皮をむしばみます。これが糖尿病の合併症へとつながります。毛細血管が障害された白内障や腎障害などは代表的な合併症です。大血管でも同様に心疾患や脳血管疾患を引き起こします。さらに高血糖や高インスリン血症は癌も誘発しやすいです。がん細胞は糖質をエネルギー源とするからです。高血糖を起こしてばかりいると常にがん細胞にエネルギー供給をしている状態なのです。
(3) 糖尿病に簡単な改善方法
このおそろしい事態を引き起こす糖尿病ですが、引き金を考えれば改善は簡単です。だって高血糖となることをやめるだけなのです。
2型糖尿病歴が長いと血管が高血糖を記憶すると言われており、食生活の改善だけでは容易にいかないこともありますが、それでも食生活の改善は大前提です。
この自粛生活で見え隠れした2型糖尿病や糖代謝異常初期状態は、間違いなく今ならば改善できます。
インスリンが作用しやすい状態のためには、まず適正体重であることが理想です。うんと肥満度が高い方も少しでも体重を落とします。脂肪細胞がインスリン作用に抵抗性をもつサイトカインを放出するからです。
食事では、血糖値を上昇させる糖質を減らします。可能な限りに。するとインスリン分泌量が抑制できるので痩せやすくなり、痩せることで脂肪が減るのでインスリン作用が改善します。
(4) 新型コロナウィルス感染症は糖尿病を産む
こんな簡単なことなのですが、現在の消費行動はそうなっていません。ちょっとした不安をあおる情報から買い占めの騒ぎとなれば、売れる食品は米、インスタントラーメンやパスタなど……。自粛生活中には、外食も控えますので、テレワークや自宅待機の子どもたちのため3食作るのは大変です。けれど朝食にパン、昼に麺、さらには自宅にいることにより間食でお菓子の摂取が増えたら……。しかも活動量が著しく低下しているのです。食後に動かないと高血糖の改善はインスリンのみに委ねられることになってしまいます。これが繰り返されたら高血糖が日常化し、あっという間に本物の糖尿病になってしまいます。
だから、自粛生活によって肥満した方や糖尿病と診断された方、これを機会に今すぐ身体のケアを始めましょう!
第2章 多くの日本人の食生活は「やばい」状態
(1)ヘルシーの勘違い
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