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従業員約10人の製造業が地場産センターに無料で展示してもらっていたら、日経新聞に掲載されたというはなし

こんにちは、製造部の松田です。

いきなりですが、当社はこれまでに1度だけ
日経新聞の記事になったことがあります。

もう1年以上前ですが、
2022年11月の掲載です。

紙面版では、地方経済の面に掲載されました。


太っ腹な石川県の地場産センター

もちろん、当社が掲載してもらうように
売り込みに行ったというわけではありません。

何より、新聞といったいわゆる「パブリシティ」は
マーケティングの側面から眺めてみると、

自社が負担する掲載・広告コストがかからない点や、
信頼性が高い情報を発信できる点がメリットである一方、

掲載をするかどうかの判断は報道者に委ねられるため
確実性が低いというデメリットがあります。


当社のような小規模事業者が「新しい取組みなんです!」
と持ち込んでいても、期待値は薄かったと思われます。


そんな状況が一般的ですが、なぜ掲載して頂けたのか。

タイトルにも記載しましたように、
石川県の地場産業振興センターには
県内事業者が開発した新製品を
無料展示させてもらえるスペース
があります。

当支援機構では、県内中小企業等が開発した新商品等の普及・促進を図るため、常設の新商品展示スペースを設置しています。
<1.展示ギャラリー所在地>
(中略)
<2.対象商品>
県内中小企業等が概ね1年以内に開発した新製品及びその見本、その製品に関する説明資料等で、生活用品、加工食品の分野に属するもの。ただし、腐敗しやすいもの、重量物、大きなもの、高価なもの等は対象外とします。
<3.利用料金>
無料
<4.応募方法>
(中略)
<5.展示スペース>
60cm×60cmのボックス 8スペース
<6.展示期間>
1製品につき3ヶ月とし、期間終了時に新たに展示する製品がない場合は、展示済みの製品の中から再度展示することができます。

『新商品展示ギャラリーの展示製品を募集(随時)』(上URLより抜粋)


60cm×60cmなんて相当大きな物でない限り入ります。
しかも掲載期間を3か月も用意してくださる太っ腹ぶり!


展示スペースの配置もナイス

加えて、実は展示スペースの場所もナイスなんです。

この地場産センターは県庁や工業試験場の真横にあり、
またセンター自体は各種セミナーや試験の会場だったりします。

しかもこの展示スペースのすぐ隣には、
もう一つ大きな伝統工芸特化の展示スペースがあり、
平日でも週末でも誰かしらほぼ常時立ち寄られています

蛇足ですが、去年令和5年度の中小企業診断士試験より、
一次試験の会場に金沢会場が追加されました。
私も受験したのですが、それがこの地場産センターでした。
(晴れて、現在はいわゆる企業内診断士となっております)

休憩時間で皆さんがトイレに行ったり復習したりする間、
この展示スペースの前に受験者が何百人と滞在し、
そのうち何人かは展示スペースを見たのではないでしょうか。
(復習で忙しくそれどころではなかったかもしれませんが笑)


そんなこんなで展示スペースに
1ケ月ほど置いてもらっていた時でしょうか、

当社ホームページのお問い合わせ経由で、
日経新聞金沢支局の方からメールを頂戴しました。

やり取りのなかで取材いただく旨をお伝えし、
当社にご足労までいただいて、製品についてお伝え致しました。

取材をいただいたあと1週間もかからず、
冒頭のように記事にして頂きました。
たいへん貴重な機会にあずかり感謝申し上げます。


ちょっとだけ宣伝を m(_ _)m

ちなみに展示スペースに置いていた製品なのですが、

名前を「組子細工の家紋パネル」といいます。

普段は大企業から受託した製品を加工していますが、
そんな当社のささやかな自社商品です。

本当に名前そのままの製品でして、

組子細工で組み上げた木枠・台座に、
金属パネル(ホーロー)製の家紋パネルを
はめ込んだインテリア製品となります。

縦14×横14×奥行6cmの小さいタイプ。
ちなみに私物の本棚&私物の本です(笑)
縦28×横28×奥行10cmの大きいタイプ。
こちらも自宅の床の間に置いて、
プロカメラマンに撮影頂きました。

石川県七尾市は江戸時代から建具産業が続く、
腕利きの建具職人さんが多い地区です。

七尾市の北西、能登有数の温泉地である和倉温泉に隣接する田鶴浜町は、江戸期より今に至る伝統工芸・田鶴浜建具の生産地として知られています。
田鶴浜建具の起源は慶安3年(1650)、加賀前田家の与力であった長連頼が祖父連竜の菩提寺である花渓寺(後の東嶺寺)を改築した際、これに従事した尾張の指物師によって木工の技術が伝えられたと言われています。明治に入ると建具業組合が設置され、鉄道の開通により販路は全国に拡大してその名を広めました。

田鶴浜ー建具製造で知られる内浦街道の宿場町

そのなかでも当社からコラボのお願いに
快く応じてくださった中島建具センター㈱
組子細工の木枠・台座の製作を依頼致しました。

石川県の湯涌温泉をモデルとしたアニメ、
花咲くいろは』の和照明グッズの製作実績があるなど、
中島建具さんの腕前は折り紙つきです。


組子細工にはめ込んでいる
家紋デザインのパネルは
当社で切断加工しています。

当社のコア技術の一つである、
レーザー加工機による切断を行っています。

Amazonで販売を行っております。
ご興味を持ってくださった方は
下記リンクから覗いてみてもらえると嬉しいです!


おわりに

ここまで記事をお読みいただきありがとうございました。

地場産センターに展示いただき、
また新聞にも記事を掲載いただいた
今だから言えることではありますが、

私は最初は地場産センターの展示に乗り気ではありませんでした。

地場産センターで無料で展示して頂けるというのは、
経理担当の従業員の方がネット検索で見つけて下さった情報で、

それを聞いた当初の私は急な提案に対して
「へ~!そうなんですね~…。」と
頭の中の”判断保留”フォルダに振り分けてしまっていました。

経理のFさんには当初の塩返事をお詫びしなければいけません。

その後、
「Word一枚で利用申請できるので展示するだけしてもらったら?」
という再度の提案をしていただき、

ではせっかくなので展示していただきましょう!
と冒頭の地場産太っ腹スペースの話に至るわけです。

何事もデメリットが見当たらないならやってみる、
やれることがあるというのは良いことだ
というマインドセットを再認識した出来事でございました。



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