見出し画像

ほっかいどう暮らし113 音威子府村 音威子府そば

道北の音威子府(おといねっぷ)村の駅にあった駅そば「常盤軒」。惜しまれながら、昨年2月に閉店しました。

北海道新聞 2021年2月9日 朝刊より

黒い麺の「音威子府そば」が有名で、全国から多くのファンが常盤軒のそばを食べに訪れるというほど人気のお店でした。

僕も一度は行ってみたいと思っていたのですが、なにせ音威子府村まではかなり距離があり時間もかかるため、結局実現することなく閉店となってしまいました。

先日の金曜日の夜、ご近所の飲み友達のコーイチさん(50代初め)とゆういちさん(40代後半)と僕の3人でお酒を飲んでいた時のこと。

ふと僕が「音威子府村の常盤軒」の話をしたところ

ゆういちさん 「俺も閉店した話は聞いたことあるわ。でも音威子府まで行けば、今でも『黒いそば』を食べられる店があるみたいだよ」

それを聞いたコーイチさん

いやいや、いつもの軽いノリで言ってるけど音威子府までは片道290キロもあるんだよ。

...と言ったのですが、そんな事はお構いなしに盛り上がっているおじさん達。この4月から3人で始めた「道の駅のスタンプラリー」も道北方面は行けていないので、「この機会に回ってこよう」という話になり

「朝早めに稚内の道の駅でスタンプを押して、南下しながら出来るだけたくさんの道の駅に寄ってこよう」

「夕方は6時くらいに帰ってきて、飲みながら反省会だね〜」

なんて、かなりザックリとした計画...。

翌日の夜はお酒を飲まないで皆早めに就寝。そして日曜日

まだ暗い午前3時に出発。目指すは稚内市。

時間が惜しいので、朝食はコンビニの駐車場でおにぎりとサンドイッチを食べました。しかし3人ともおじさんなのでトイレが近い。何度もトイレに寄っているうちにかなりの時間ロスとなり、結局稚内の道の駅があるJR稚内駅に着いたのは

午前9時を回っていました。

せっかくなのでお土産屋さんを見に行ったら、その一画に

おそらく日本最北と思われる「立ち食いそば屋」を発見。

しかも、いかにもご当地グルメっぽい「利尻こんぶそば」と書いた札があります。

以前、留萌駅で「にしんそば」を食べて以来「駅そば」にハマりつつあるコーイチさんが

「ここは『利尻こんぶそば』を食べておかないと」

と、カウンター越しに注文したら

待っている時間もなく、「まぁ、音威子府でも蕎麦を食べるから」と稚内駅を後にしました。

そこから宗谷岬を抜けて、オホーツク海に面した猿払村・浜頓別・枝幸の道の駅に行きました。

予定(予想?)していた時間よりだいぶ遅れていたので、道の駅ではスタンプと記念写真だけにしようと言っていたのに

猿払村の「帆立のり」

とにかくゆういちさんがお土産を買いたがる。「もう来ることもないかもしれないから」と行く先、行く先で何かしら買い物をしていたら

音威子府の道の駅に着いた頃には、もう2時近くになっていました。

事前に調べておいたところでは、「道の駅おといねっぷ」に入っているレストラン『天北龍』さんでも

「音威子府そば」を食べられると聞いていたので、スタンプを押した後行ってみるとお店の方が

「すみません、今日はもうほとんど売り切れで

2人には申し訳ないのですが、ここは譲るわけにはいきません。

結局ジャンケン勝負に勝った僕がこちらで食べることになり、コーイチさんとゆういちさんは村内にある人気店「一路食堂」さんへ向かいました。

「一路食堂」さんも音威子府そばが食べられる店として有名で、よくテレビや雑誌でも取り上げられています。

さて、僕の方は天北龍さんの受付でお金を払い

木製の番号札をいただいてしばらく待っていると、やってまいりました

音威子府そば(かきあげ)

音威子府そばの一番の特徴である「黒い麺」。実際には画像よりも濃い色で、まさに黒く見えます。

これは通常は捨ててしまう蕎麦の実の甘皮まで使って製麺しているからなのだそう。その分蕎麦本来の風味が強く、コシがあります。

そばの味を引き立てる濃い目の汁。天ぷらはいたって普通ですが、辛めの汁に溶けて甘く感じます。う〜む、うまい。

ごちそうさまでした。遠い距離でしたが、わざわざ食べに来た甲斐がありました。

一方「一路食堂」へ向かったコーイチさんとゆういちさんですが、お店の前に行ってみると

話によると、この4月末で飲食業はやめて物販のみ行っているのだとか。

あらためて他のお店を探す時間もないので、結局コンビニに寄り

ハンバーガーを買って車で食べたそうです。

僕が車に戻るとコーイチさんが

「せっかく道北まで来たのに、朝からコンビニのご飯しか食べていない...せめてニシンで有名な小平町の道の駅で名物の『にしんそば』を食べたいっ!!」

小平(おびら)町の道の駅の商業施設の閉店は午後5時。予定していた残りの道の駅を回って行くと、時間ギリギリか。

そこで日本海側の道の駅は駆け足で回ってスタンプを押し

「道の駅 おびら鰊番屋」に着いたのは4時30分。

「間に合った〜っ!」とレストランに行ってみると

無情にも閉店していました。よくよく調べたら、売店の営業時間は5時までですが、レストランは4時で終了でした。

ガックリとうなだれるコーイチさん...また今回も食べられないパターンか...。

あまりにも気の毒なので僕が

「元気出しなよ、コーイチさん。さっき音威子府で

お土産用の生そばを買ったから、帰ってみんなで食べよう」と言ったら

いや、ハグとかいらないっ!!

留萌からは高速道路を使って真っ直ぐ帰りました。帰ったらすでに8時を回っていました。

家に着く前に妻に電話をして「お湯を沸かしておいて」と頼んでおいたので、帰るとすぐに蕎麦を茹でてもらい

軽くお酒を飲みながら、みんなで食べました。

2人とも「おいしい、おいしい」と言って食べ、特にコーイチさんはかなり感激した様子でした。

結局おじさん達が帰ったのは10時過ぎ。考えてみれば朝の3時から今まで19時間も一緒にいたなんて

長い1日だった〜〜〜っ!!

おしまい

...疲れました。


いいなと思ったら応援しよう!