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パンを焼く人生をはじめた

2025年からパンを焼く人生を始めました。
菓子パンを6年買っていない私が!!
こんにちは、豊穣です。

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大学1年生の時、3ヶ月だけパン屋でバイトをしていた。一生分のパンを食べた気がした。
そして大学2年生の時に思いっきり太った時期があり、そこからゆるいグルテンフリーを続けている。菓子パンはもう6年ほど食べていない。
菓子パン食べなくなってから体が軽くなったし、昼にコンビニ飯を食べるときの商品の選択肢が半分ほどになって、だいぶ人生が楽になった気がしていた。

でもゆるいグルテンフリーなので、誰かと外食に行く時や喫茶店のモーニングではおいしいパンを食べるときもある。年に1回ぐらい気が向いたらちょっと高めのパン屋で買うし、大好きなカレーの時は躊躇なくナンで食べる。

『パンを食べること』は、もう自分の生活の延長にはなかった。パンはエンタメになった。


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そんななか今年の冬、同居人と「休日に家でモーニングをしたいね」と話し、5年ぶりに食パンを買った。

人と暮らし始めてから、「楽しく生活」するための小技をちょっとずつ覚え始めた。
久々に食パンを買って、ハムとチーズをのせて焼いて食べたとき「『おいしいパンを食べる』ことは楽しい生活の小技の一つだな」とずっしり感じて、パンを数年ぶりに生活に導入することを決めた。


そして早速自分のパン人生に転機がやってきた。
今年の年末年始の帰省で、実家に眠っていたホームベーカリーを引き取ったのだ。
父が職場のイベントの景品でもらってきたらしき代物で、実家で家族は全く使っていなかった。

パンをほとんど食べない人間の自宅にホームベーカリーがやってきた!

パン以外にも色々作れるらしい。
ホームベーカリーでうどんを作る自分を一瞬想像したけれど、「買ったほうが早いな…」とよぎって考えるのを一旦やめた。「買った方が早い」の思考で、いくつもの手作りチャンスを逃してきた気がする。

せっかくなので週に1回、休日の朝に食パンを作るようになった。
材料を機械に放り込んでボタンを押すだけ。コストも1回200円ぐらい。
ひとりだと一斤作っても食べきれないが、家には私よりも胃袋の大きい同居人がいるので安心して作れる。


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作り始めて2回目ぐらいで、確信した。

パンを焼き始めてから、休日の朝が楽しみすぎる!!!!

私は特に日曜の朝、用事があればぎりぎりまで寝てから準備して…となるが、用事がないと無下にしがち。
でもパンを焼き始めると、「絶対に焼き立てを食べたい」という強い意志の元で起きられるようになる。

それだけ、焼き立てのパンには魔力がある!!!

焼きたての食パンって、パン屋バイトでもなかなか食べられなかった🍞

土曜夜。
日曜9時に焼き上がるように、ホームベーカリーをセットする。
ドライイーストが水につからないように注意する。
バターをマーガリンで代用して節約するか、毎回悩む。

日曜朝。
8時45分ぐらいからパンの芳香が1Kの部屋中を漂う。
何とも言えない幸せな気分になる。
そわそわしだす。
冷蔵庫を開け閉めして、今日のパンのお供を探す。

9時、焼き上がりの音楽がなれば即座にパンを取り出す。
パン切り包丁で大ぶりにカットする。
黒い皿と白い皿に盛る。
何をつけるか、冷蔵庫の最終チェックする。
覚悟を決める。
食べる。
一口目、頭の中で何かがスパークする。
グルテンの魔力。
二口目、スパークの余韻を楽しむ。
三口目以降はあまり記憶がない。

食後にコーヒーを淹れる。
日曜朝10時。

すでに「充実した休日感」がでる。
元気になってこのまま外出してもいいし、二度寝しても罪悪感がない。

あまりにも楽しくて強力な生活の小技!

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今更、人生25年目にしてやっと今更気が付いたのだけれど、パンはしょっぱい付け合わせの方が好きだ。ジャムは使い切らない。
自分の「生活のこだわり」がこんなところにあったのか〜!と気づく。

一番好きなのはマーガリン&生ハムの組み合わせ。
スクランブルエッグ&ベーコンもいい。

実家でもパンは出ていたけれど、食べ方にこだわりがなく出されたスプレッドを適当に塗っていた。
もう亡くなった父方の祖父は、毎朝トーストにマーガリンをぬっていた。母方の祖父の朝食はイチゴジャムトーストだった。
毎回同じで飽きないのかなと思っていた。

ホームベーカリーが来てから、自分の「生活のこだわり」が形になっていくのを眺めている。私はマーガリン派だったのだなあと答え合わせをする。

「あ~自分ってこれが好きなんだな~」と気づけるのはありがたい。
何でも「なんとなくこっち」より「こっちの方が好きだから」で選べた方が楽しい気がするから!
別に人生が劇的に変わったわけではないのだけれど、ホームベーカリーが来てから、自分の生活が、嗜好が、拡張されている実感がある。

好きなタイミングでおいしいパンを作れて、好きなものを塗って、好きなタイミングでパンを食べられる大人の生活は悪くないな!と思う。
20歳の自分がみたら「太るから辞めなよ…いろいろパンにのせるのとかさ…」と言いそうだけれど、「まあもういいじゃないか、週に1回だし」と開き直れるぐらいに、この5年で体型管理は暮らしの他の部分でカバーできるようになった。


でもパンを食べた休日の朝は二度寝することが多くて、時間を有効活用できているかはわからない。
「朝活」と人に自慢するには程遠い。


おしまい


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